ボストーク松山藤原塾

少しだけ秋の空気?

はじめに

お昼に少し外に出たときに目の前に拡がる空気が秋色に変わっていることを感じました。真夏の暑さが覆い被さってくるような空気ではなく、少し軽く乾燥した感じの空気です。夏至から1ヵ月半、日の出も少し遅くなったような気がします。陽射しの角度も変わり、影が長くなってきました。そのせいか、先週末から少し涼しくなったように感じます。このまま秋に近づいていくのか、また猛暑に戻るのか。殺人的な暑さはもう終わって欲しいものです。

今日は山の日です。以前も少し書きましたが、日本は祝日が多過ぎです。そうでもしなければ働いている人が休まないから制度として休ませるということでしょう。だから日本人は働かなくなったんだ、困ったことだ、と言うつもりはありません。やはり労働者は心と身体を休ませる必要があり、休日はとても大事です。しかし、休日はいつも完全休養日というのもどうなんだろうと思いました。何でも良いから、自分とその周りの人たちにプラスになること、刺激になること、元気になること、頭の転換になること、明日の自分につながることに休日の時間を使った方が良いと思います。ただし、仕事のことなんて考えちゃダメです。特にサラリーパーソンの方は、職場のことはしっかり忘れて、ということです。

今週の愛媛

夏の甲子園、愛媛県代表の新田高校は1回戦で岩手の花巻東に敗れました。愛媛県勢は5年連続で初戦敗退となり、その点は残念でしたが、強豪相手に惜敗と言える試合内容だったと思います。ちなみに、ベンチ入りした新田高校のメンバーは全員愛媛県内の中学校卒業生です。今の高校野球は、他県から生徒が来ていることが普通です。しかし、そのような高校野球も転換点にきているように感じます。松山の夏祭りは野球拳踊りです。甲子園の成績に関係なく、楽しみたいです。

今週考えたこと

日本の将来について過度に悲観的になるのは良くないと思います。日本だってまだまだ魅力的なところはある、人口だってまだ1億人以上いる、世界のトヨタだってある、なんたって歴史がある。しかし、です。今は元気か?と言われれば、YESとは言えません。米国の力を借りないと為替介入もできません。半導体の開発、製造能力だって、韓国や台湾に大きく離されています。半導体なんて今だけでしょ?と思うかもしれませんが、その今の半導体のために、韓国や台湾がどれだけ頑張り、日本はそれと同じくらい頑張ってきたのか?国内政治にしても、財界や学識経験者や税理士があんなに反対している消費税1%が導入できちゃう勢いなのです。すごく後ろ向きな空気感満載。出生率はどの国も落ちてるけど、だから良いって言うわけじゃありません。もちろん、日本にだって魅力的なところはたくさんあって、それは誇りに思って良いと思いますが、経済はそうじゃないんだよというのは理解しておくべきです。いや、むしろ日本経済には問題があることは間違いないのだから、放置は良くありません。何とか良くしていかなきゃという空気を感じられないことが問題です。それは、硬直化した社会のせい?高齢化のせい?伝統を守ろうとするから?序列にこだわるから?日本人だけでやろうとするから?デフレはもう終わっているんだという頭の転換ができていないから?まだ大丈夫だと思っているから?そろそろ目覚めなければいけない時です。

高市さんの悪口ばっかり書いてるようで気が引けるのですが、気になる点は指摘していきたいと思います。衆院選挙の時に国民が高市さんに期待したものは何かといえば、何かを変えてくれそうという空気でしょう。この記事にある「骨太の方針」、私も読んでみました。う~ん、どこが変化なのだろう?もともとはすごい官僚言葉です。私も税理士会の仕事で財務省や国税庁絡みの文書を読んだり、それをもとに意見書のようなものを作成したり、議論することがあって、この手の言葉にはある程度の免疫があるつもりです。なので、文章それ自体は仕方ないとして、読みながら、高市さんとその周辺の人たちが政治家として手を入れた=自分の言葉で書いたと思われる部分は見当たりませんでした。全文通してほぼ官僚が書いた空気感いっぱいです。多少、政治家から注文はついたと思われますが、突っ込んで書いてはいないと感じられます。官僚のどこが悪い?と思う方もいるかもしれません。確かに官僚の皆さんは悪くありません。しかし、彼らの言葉は総花的であり、物事の本質を突く言葉を使わないと言う特徴があります。

例えば、このような文章があります。「我が国は今、人口減少、安全保障環境の変化、エネルギー制約、自然災害リスクの増大、AIを始めとする技術革新、国家間の産業・技術競争の激化など、歴史的な構造変化の中にある。こうした時代において、経済社会を発展させて国民生活を守っていくためには、従来の発想のままでは限界がある。」確かにその通りです。では具体的に何をやろうとしていくのか?以下に書かれたことがそれに当たると思われます。
「スタートアップの振興などを図り、中長期的な成長力強化につなげていく。あわせて、民間投資を引き出すために政府予算の予見可能性を確保する観点から、財政単年度主義の弊害を是正し、予算の作り方を根本から改める。」
「生産性向上の取組に加え、教育・人材育成等を通じ、経済力の基盤となる人材力を強化する。また、絶え間ない規制・制度改革により、企業が将来にわたって挑戦できる環境を整備し、我が国の供給構造を強化する。」
「(企業の経営力向上) コーポレートガバナンスを成長志向型へと転換し、企業と機関投資家の双方が中長期的な企業価値向上を意識し、必要な成長投資や事業ポートフォリオの見直しが促されるよう、改訂「コーポレートガバナンス・コード」と「成長投資ガイダンス」の普及・実装を促す。諸外国とのイコールフッティングを図るとともに、企業の果敢な経営判断を後押しする制度環境整備を進める観点から、株主総会の在り方等会社法制の見直しの検討を行う。」

こんなの骨太でも何でもなくて、従来から言われていたことです。しかも、コーポレートガバナンス・コードの見直しでどのように経営力を向上させていくのか?については書かれていません。そして何より、こうやって行くんだよ!という強い思いが感じられません。それを読み取らない国民の側が問題ということでしょうか。なぜ、読んでいてそうだよなと感じられ、元気出して頑張ろう!という文章が書けないのでしょうか。

今回のワールドカップについては、勝つためには何をやっても良い、ルールも何もかも無視して良いというスポーツに限らず、普通に生きていくときに理解しておくべき基本的なことが無視されていました。そして、スポーツを純粋に楽しむのではなく、過度な商業主義です。常にお金に絡んで、儲かれば何をやっても良いと言う空気感がいっぱいでした。楽しむというレベルを超えて、もううんざり、という感じです。そのような空気が拡がる大会について、FC今治の岡田会長はこの記事の中でスペインが勝って良かったというコメントしています。素敵だなと思ったところをご紹介するとこんな感じです。「今治にスペイン人のコーチを呼ぶようになって付き合いが増えたけれど、彼らはサッカーに戦争用語を持ち込むのをすごく嫌がる。『攻撃』という言葉すら」「これから世界はさらに混沌としていく。そんな時代にサッカーくらいはピュアでいてほしかった。そういう意味でスペインが勝って本当によかったと思っている。日本の指導者養成も変えなきゃいけないんじゃないかなと思うくらい」

今週のAI

以前一緒に仕事をしたエンジニアの方と久しぶりにAIについて話し合いました。そこで出てきたことをまとめます。AIが普及することで、エンジニアが関わってきたプログラミングという仕事がAIに取って代わられました。それにより、特に米国では多くのエンジニアがレイオフされましたが、最近になって逆にエンジニアを呼び戻さなければいけなくなってきています。その理由は、AIが作成したソフトウエアのレビュー、マネジメントなど、品質を担保するための最後のラストワンマイルと言われる部分には人の視点が必要ということです。同じような内容で、最近、富士通でもAIに代替されて消滅すると言われていた営業職が逆に増員となったという記事もありました。

ここ数週間書いてきたセキュリティについてですが、AIを活用するための「暴走」を人間の視点で事前に把握するのは無理です。先端技術は役に立つ面もありますが、逆にリスクとなる面もあります。その両面を理解して攻守バランスの取れた仕組みを作ることが大切です。言葉としては簡単ですが、これはかなり難しい問題です。

そして最後に、そのようなAI技術の進化を経営的にどう見るか。システムのことを理解して、経営も分かる経営者が必要だが、いない。システム開発者はどちらかというと経営的なことは苦手な人が多く、逆に経営者はシステム開発のような世界は苦手です。両方が好きという人はゼロではありませんが、まずいません。例外的なのは、KDDI代表取締役会長の髙橋誠氏です。2022年7月に発生したKDDIの大規模通信障害の際、当時社長だった髙橋 誠氏が自ら開いた緊急記者会見が、その的確な技術説明によってSNSやメディアで非常に高く評価されました。米国にはそのような人材がたくさんいますね。ここでも日本の閉塞感を覚えます。

AIも技術的な進化と利用される範囲が拡大し、課題も広く深くなってきました。使う人と使わない人の格差も問題です。AIについては、引き続き考えていきたいと思います。この機会に、日本も変わらなきゃ。

おわりに

人間、諦めが大切なときもあります。ミス、悪い成績を嘆いても仕方ない。消費税が1%になるのも政治の世界で決まるのだから仕方ない。国力が弱っても少子高齢化なのだから仕方ない。新田高校が負けたことは仕方ない。この記事で書いても世界は変わらないから仕方ない。この仕方ないと思う感覚が、ポピュリズムにつながるような気がします。

それはそうですが、果たしてそれで良いのか。ここは頭を切り替えた方が良いように思います。新田高校だって、強豪相手に頑張りました。結果は負けたけれど、来年につながる負けだったと思います。選手の皆さんだって、絶対プラスです。甲子園に限らず、高校で野球に関わったってことはすごいことです。勝った方が気持ち良いとは思いますが、負けた方だって自分たちの課題を知ることになりますし、次は勝てばよい。そもそも、スポーツなどの世界で、勝つことだけが一番ではないと思えることはとても大切なことです。逆に、勝つことは今この瞬間のことであり、明日はどうなるのか分からない。勝つことですべてが許されるわけではないということを知るべきでしょう。時間は流れていく、明日も生きていく以上は、おごらず、謙虚に。

この記事で書いてる小さな意見は、大したものではありません。しかし、サイトに掲載されネット上で拡がっていきます。即時性はないかもしれませんが、世界中で疑問を感じる人たちの思いが集まっていけば、どこかで大きな変化に影響するような気がします。それは多分AIとはまったく違う世界の話ですね。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。