ボストーク松山藤原塾

憲法について考えてみた

【季節の話題】

昨日は宇和島出張でした。南予方面もこの時期は積雪を記録することがあり、高速道路が閉鎖されることもありますが、昨日は積雪を見ることはほとんどありませんでした。ちょっとした風の流れでだいぶ違うものです。帰りの高速では、右手に雪化粧した石鎚山、左手には瀬戸内海を見ることができます。寒いけど、とっても良い景色です。

【今週考えたこと】

選挙の話 第51回衆議院選挙が公示される

第51回衆議院選挙が今日1月27日公示され、2月8日の投開票に向けての選挙戦が始まりました。この衆議院選挙について考えました。

衆議院議員の任期は4年、参院は6年とされています任期があるのに、首相はなぜ衆議院を自由に解散できるのでしょうか。現在の解釈では憲法7条に基づくとされています。最高裁判決もこの考え方を支持していて、昭和35年6月8日判決の苫米地(とまべち)事件では、首相による解散が憲法に反するかどうかが論点となりました。判決では、衆議院の解散は高度な政治性があり、裁判所の権限外として合憲とされています。

しかし、今のように1年少しで解散できる、それでよいのだろうかと考えてしまいました。毎年解散総選挙というのは憲法も想定していないはずです。もし本当に自由に解散できるとするなら、任期の意味がなくなってしまいます。

税金の世界で考えると、法人も個人も1年に1度は申告して税金を払うのが原則です。が、好きなときに申告して良いと言うことになれば、赤字のタイミングで申告することができます。1年、4年という客観的な条件は合理的であり平等です。しかし、その期間は自分で自由に変更できる、任意の期間というならそれは恣意的であり平等とは言えません。

法律上、解散権が認められている根拠は憲法7条3号と69条にあるのですが、どちらもいつでも自由に解散する権利があるとは書かれていません。あくまでも解釈の問題になっているのです。当然、毎年解散しても良いとは書かれていないのです。解散にあたりよく使われる「民意を問う」という表現は正当のように聞こえます。そりゃ選挙は民意を問うことなのだけれど、いつでも良いと言うのとは話が違いますね。

考えてみれば、国会は国権の最高機関で国の唯一の立法機関です(憲法41条)。それだけ重要な使命を政治は担っているわけです。解散するということは、その機関が一時的に機能を停止することになります。解散については、総理としても深く考えた上での決断だとは思いますが、歴史をたどると政治のポジションがとても軽くなっているように感じます。仮に、4年の任期では揺れ動く世界情勢に政治が対応できないというなら、それは任期の問題ではなく、政治がその変化を受け止められていないというこれもまた別次元の問題ではないかと思います。

もし解散がいつでもできるなら、確定申告も好きなときに申告できるようになったら良いですね。でも、無理だな。

テレビの話 ソニーがテレビを作るのをやめる


テレビで頭に浮かぶのがサザエさん一家の夕食です。家族が集まって食事をする横にテレビが置いてあります。番組のスポンサーは東芝でしたから、いつも最新のテレビでした。1970年代頃まで多くの日本人家庭では家族揃ってテレビを見ていたのではないでしょうか。しかし、今家族が揃ってテレビを見ることはあるのでしょうか?各自スマホで動画を見る時代です。仮に家族が居間で一緒にいても、イヤホンをしてそれぞれ別のコンテンツを見ていることが普通でしょう。今のテレビでもYouTubeやNetflixのようなコンテンツを見ることはできますが、わざわざみんな揃ってということは減っていると思います。つまり、テレビとしての機能が変化したのです。世界を席巻した日本製のテレビがなくなるのは寂しいことですが、テクノロジーの変化、ライフスタイルの変化、ソニーという会社のビジョンの変化を考えれば、日本製ソニーのテレビがなくなることは仕方ないことです。

この話題でもう一つ思ったこと。
今後、ソニーというテレビは中国企業であるTCLが主導する合弁会社に移管します(この会社にはソニーも49%出資するそうです)。ソニーというブランドがなくなるわけではありません。多くの日本人が中国製品に抱いている「安かろう悪かろう」はすでに過去のものであり、中国が持っているデジタル技術は世界最先端になっています。ソニー製テレビが世界中で売れていた頃、日本の家電技術は世界の最先端でした。しかし、後発だった韓国や中国の技術が進化し、日本の技術は遅れてしまったと言えます。確かに、量販店に行くと、日本製の方が長持ちする、かゆいところに手が届く製品なのですが、世界で売り出すとなると、機能は多少劣っても安いもの、それなりに使えるものが売れます。世界で勝負するとなると、日本製のものを手に取る顧客数は少なくなってしまいます。世界視点のビジネスとして考えておきたいところです。

【今週のAI】

以前も少しお話ししたことがあるAIグラスです。日経電子版に掲載されたということは、日本でも販売される可能性があるのかもしれません。改めてAIグラスとは何かと言えば、メガネの形をしたスマートフォンです。スマホで見る情報がメガネを通してみることができます。よく言われるのは、冷蔵庫の食材をメガネを通してみると、レシピの提案がされるといったものです。英語の文章も日本語として読むことができるようになると思います。会議なら、会議のテーマに関連する情報をAIが探して整理し、メガネを通してみることができるようになります。

ただし、日本ではまだ発売されていません。米国ではFacebookで有名なメタが「メタレイバン」という商品を出しています。

この技術については現時点で問題点も指摘されています。カメラが内蔵されているので、相手に気付かれないで盗撮ができたり、見るだけで情報を盗み取られてしまうこと。肖像権、個人情報保護等の法律的な規制が未整備なこと。目に負荷がかかってしまうこと。周りの人に対してストレスをかけてしまうこと。外を歩くと交通事故の危険が高まること。現実と仮想世界の区別が付かなくなってしまう可能性があること。

夢の技術ですが、課題も多そうです。が、もし発売されたら、ちょっとかけてみたいですね。ちなみに、税務調査の時にかけたらどうなるんでしょう?税務署がやっている作業を記録したり、分析したりできそうですね。「多分、認められないよ」とChatGPTに言われてしましました。


※このレターでは一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。