F&Aレポート

「年賀状じまい」と年賀状の歴史

「年賀状じまい」と年賀状の歴史

 今年の年末は「年賀状じまい」という言葉をよく耳にするようになりました。

「年賀状じまい」とは周知の通り、年賀状を辞退することを伝える最後の年賀状のことを言い、終活が流行してからは「終活年賀状」とも言われているそうです。

 終活で年賀状のやり取りを整理したいと考える人が増えたことが急増したのに伴い、終活世代ではない40~50代の中年層にも、年賀状じまいの習慣が広まっているといわれています。お店に行くと「年賀状じまい用の年賀状」売り場もあるほどです。

 そもそも年賀状の起源は平安時代に遡ると言われています。当初は貴族の年始の挨拶であったものが、江戸時代には「飛脚」が充実したため、庶民が手紙で挨拶をすることが増え、明治4年には郵便制度が確立したのをきっかけに年賀状は激増したということです。

 とはいえ、太平洋戦争が始まった昭和16年から終戦の昭和20年の間は、年賀状は影を潜め、復興ムードが高まった昭和23年ごろに復活しました。

 この復活を後押ししたのが「お年玉付き年賀状」です。庶民のアイデアで始まったお年玉第一回の賞品は以下の通りです。

 特賞=ミシン
 1等=純毛洋服生地
 2等=子供用グローブ
 3等=子供用こうもり傘

 つくづく時代が感じられます。日本の歴史、文化、慣習を通して脈々と受け継がれてきた「年賀状文化」。今やデジタル時代になり、メールやラインといった形が変われど、新しい年の始まりに特別な思いを寄せてメッセージを送る風習は今も、これからも続くのでしょう。2023年、あなたの年賀状はいかに?