ハラスメント相談窓口の心得と対処 2
前回に続いて、ハラスメント相談窓口の要点をまとめますが、相談窓口でなくとも、もし相談を受けることがあれば、誰でも適切な対応がとれることが、組織として望ましいあり方です。
こじれてしまった紛争の例をみると、相談の初期の段階で、被害者と組織側の信頼関係を築けなかったケースが多くあります。被害者の感情や気持ちに寄り添う姿勢を伝えましょう。
前回の内容
(1)相談は基本的にフェイスtoフェイス (2)面談(ヒアリング)に相談者が来たことは、組織として解決の一歩 (3)迅速な対応 (4)面談内容は記録する (5)面談は2名以上の体制で受ける
(1)面談時間の設定は注意
業務時間内にするのか、その場合終業時刻までには終わらなければならないか、業務時間外が良いか。時間に追われて尻切れとんぼにならないように注意。1回の面談で終えられない場合は、次の面談日時を検討しましょう。
(2)被害者ヒアリングと加害者ヒアリングでは、異なるアプローチを
被害者の場合は、エモーショナル(感情面)での対応を優先させ、加害者の場合は、ソーシャル(規律、規則、業務上)の対応を優先させます。被害者が泣いたり、怒ったり、無言になっても急かさず、「それは大変でしたね」「言葉にならないですね」など、気持ちを代弁するようにして、復唱やうなずき、要点を再確認などしていきます。
(3)加害者対応は、最初からソーシャルな対応で
被害者同様、ヒアリングに応じてくれたことに感謝を述べつつ、「訴えはあったが、まだハラスメントと確定したわけではないので、事情を確認したい」という旨を伝え協力依頼をします。また、本件に関して、今後相談者と一切の話題にしたり接触したりすることを禁じ、相談者の仕事の変化や不利益にならないよう、かつそれに違反すると罰則の対象となることを厳しく告知します。
(4)あくまでも推定無罪、あとの対応の流れと時間的な予想を告げる
ヒアリングの段階では、ハラスメントかどうかの判断はしません。被害者に理解を示しても、ハラスンメントであると決めつけてはいけません。ヒアリング終了後には、相談内容を確認し、今後の流れやスケジュールを告げて、丁寧に見送ります。