F&Aレポート

「一階、二階、三階」の読み方

「一階、二階、三階」の読み方

 「一階、二階、三階…」と、順番に声を出して読んでみてください。

 「三階」は「さんかい」でしょうか、「さんがい」でしょうか?

 正しくは「さんがい」です。「いっかい、にかい、さんがい…」という風に、三階だけ濁った音になります。「四階、五階、六階、七階、八階、九階、十階」は、全部「かい」なのに、三階だけはどうして「がい」なのでしょうか。

 日本語は「ん」の後は濁る音になることが多いという傾向があるのです。数に限らず「神社 じんじゃ」「万歳 ばんざい」「音楽 おんがく」「今度 こんど」など、すべて「ん」のあとは濁った音になります。

「天下 てんか」は例外のように見えますが、古くは「てんが」と言って、濁った発音だったそうです。

 では、「四階 よんかい」はどうなのでしょうか。

「四階 よんかい」は「ん」の後でも濁りません。これはもともと漢語で「しかい」と読んでいたものが、「よん」に置き換わっただけなので濁らないのだそうです。「し」は「死」を連想させるため、日本ではあえて「よん」と読むようになりました。

 しかし三階については、最近では「さんかい」という人の割合が増えたそうです。文化庁の調査では、4割以上の人が「さんかい」と読むそうです。

 では、「十」%の読みは、「ジッ%」でしょうか、「ジュッ%」でしょうか。

 これは伝統的には「ジッ」で、現代は「ジュウ」です。放送用語では基本「ジッ」が優先されていますが「ジュウ」も認められています。

 日本人でも迷うことの多い数の読み方ですが、日本で働く外国人に理解してもらうのはもっと難しいという話を聞いたことがあります。あらためて、日本語は難しいですね。(参考 NHK気になることば)