F&Aレポート

2023年「健康元年」としよう!「栄養」と「健康」知識を高めて楽々ダイエット~アルコール編

2023年「健康元年」としよう!「栄養」と「健康」知識を高めて楽々ダイエット~アルコール編

 「老後2000万円問題」「老後破産」と聞くと、私たちが加齢に従い最も必要なものは「お金」と思ってしまいますが、見落としてはならないものがあります。それは「健康」です。

 なぜなら、どんなにたくさんのお金を持っていても、社会的な地位が高くても、高級品で身の回りを固めても、ひとたび病気になれば、決して幸せとはいえなくなります。

 病気でなくとも、常にだるい、疲れている、痛みがある、鬱々とした精神状態だとすると、やはり幸福感は得難いでしょう。大きな志や夢があっても、健康を損ねると気力は削がれます。仕事以外でも、思い切り楽しみたい趣味や好きなことがあっても、体に不調があると楽しい時間も色あせます。

「健康」には知識が必要です。「ダイエット」と聞くと単に「痩せること」と思われがちですが、本来は「食事療法」を意味します。「栄養」知識を身につけ、仕事も趣味も楽しめる「生涯健康」な心と体をつくりましょう。「健康」への投資は「幸福」という最大のリターンをもたらします。今回は、年末年始に飲む機会が増える「アルコール」と「ダイエット」について特集します。

1、アルコール分解にかかる時間

アルコール分解にかかる時間=【(飲酒量ml × アルコール% ÷ 100)× 0.8】÷【体重kg × 0.1】

 たとえば、体重60kgの人が、アルコール度数5%の缶ビール350mlを1本飲んだ場合は、【(飲酒量350ml × アルコール5% ÷ 100)× 0.8】÷【体重60kg × 0.1】=2.333333……となり、アルコール分解に2時間半程度の時間を要することになります。

2、アルコール分解にかかる時間=脂質代謝が停止している時間(つまり太りやすい時間)

 アルコールは肝臓の糖代謝と脂肪代謝を止める働きがあります。代謝とは、取り入れたものをエネルギーに変換する働きです。代謝が止まる=蓄積されやすくなる状態です。

 アルコールが体内にあるうちは糖質と脂質の代謝は止まり続けてしまいます。アルコールが肝臓で分解され、尿で排出されると肝臓は再稼働して脂肪も燃焼されます。

 アルコールによる肝臓の糖質や脂肪の燃焼を止める働きは、少量のアルコールでも引き起こされますが、量が多いほど燃焼が止まっている時間が長くなります。

 アルコール分解にかかる時間=「肝臓がアルコールにさらされている時間」、すなわち脂質代謝が停止(低下)している時間です。

 上記の計算で3時間と出たら、飲んだその日は3時間、もし同量のお酒を1週間飲んでいたら3時間×7日=21時間、1週間のうち21時間(約1日)も脂肪代謝を滞らせている習慣となります。(そりゃ太りますね、痩せにくい)

3、飲酒と筋肉の関係

 個人のアルコールに対する対応能力や完全回復までの時間などで個人差はありますが、上記の公式結果は極めて有益な参考値になります。

 アルコールは、アルコール→アセトアルデヒド(悪酔いの原因)→酢酸→水や二酸化炭素の順番で分解されていきます。アセトアルデヒドの分解能力が高い人はお酒に強いと言えます。

 さらに、肝臓内でアルコールがアセトアルデヒドになってからは筋肉でも分解できるため、筋肉量が増えればアルコール分解時間(肝臓代謝停止時間)が短くなります。

 しかし、飲酒後の運動は筋肉でのアセトアルデヒド分解は速まりますが、肝臓代謝が停止しているので、血液中の乳酸(筋肉由来)が分解されず上昇しやすくなり、血液の酸性化(アシドーシス)、疲労や脱水、吐き気、場合によっては昏睡などリスクが高まるのでおすすめできません。

 筋肉でのアセトアルデヒド分解は、アルコール対応能力であり、飲酒後に筋肉を使えということではありません。

 飲酒習慣がある人は普段から運動により骨格筋量を増やしておくことで、肝臓代謝停止時間を短くでき、身体の負担を減らすことができます。

 その他、果糖(果物などに含まれる)とアルコールが組み合わさると、著しく肝臓内に脂肪が溜まっていきます。飲酒後のデザート(果物、アイスクリームなど)、ワインとドライフルーツ。カクテルやチューハイなどは脂肪が溜まりやすい組み合わせになるので要注意です。