「組織は人なり」「言葉は人なり」すなわち「組織は言葉」なり ~わかりやすい話は「論理的」。
ビジネス文書を書くときはもちろん、会議やプレゼンなどでも「論理的」に伝えることが、わかりやい説明になります。「論理的」とは、たとえば「A=B、B=CならA=Cなのだ」という展開ですが、「A=B、B=CならA=D」というような展開になると聞き手は混乱します。
「論理的」にはいくつかのルールが存在しますが、今回は説得力にも通じ、日常会話でも活かしやすい「主張」と「具体例」について見直していきましょう。
1、「たとえば」「具体的には」で、「主張」を裏付けする
自分の主張だけを述べる、またはブログなどで書き散らすだけでは共感も理解も得られません。企画書でも報告書でも、自分の主張に対して、必ず論理的にそれを説明しなければなりません。
自分の主張を文章にするときも、口頭で述べるときも、それを裏付ける証拠を挙げると説得力を増すことができます。証拠を挙げれば挙げるほど、相手は反論することが難しくなります。
「たとえば」「具体的には」という言葉は、その論理を展開する代表格の言葉といってもいいでしょう。当然、あとに続く証拠(具体例)がふさわしいものでなければ、論理は破綻してしまいます。企画書や販促の説明書などでは、具体例の代わりに裏付けとなるデータなどを載せますが、そのデータが説得力の鍵となるのです。
<例文>
1、主張 「私の趣味は音楽鑑賞です」
→主張+具体例 「私の趣味は音楽鑑賞です。たとえば、ニューミュージックや歌謡曲など、80年代流行した曲をよく聴きます」
2、主張 「先月は売り上げが落ち込んでいます」
→主張+具体例 「先月は売り上げが落ち込んでいます。具体的には、前年比約15%、前月比5%程度落ち込み、売り上げは300万円となっています」
2、「つまり」の一言で、「具体例」から「主張」に誘導する
先に述べたルールとは逆に、最初に「具体例」を挙げて、その後「つまり」と一言入れて、「主張」を持ち出す場合があります。文章を読むときもその論理パターンを意識すると、スムーズに理解しやすくなります。
<例文>
1、具体例「ウォーキングやジョギング、水泳など長時間継続して行う運動はダイエットに効果があるそうです」
→具体例+主張「ウォーキングやジョギング、水泳など長時間継続して行う運動はダイエットに効果があります。つまり、有酸素運動は脂肪を燃焼しやすくするのです」
2、具体例「来店するお客様の表情に気を配り、目の動きを見てお求めの商品を予測することが重要です」
→具体例+主張「来店するお客様の表情に気を配り、目の動きを見てお求めの商品を予測することが重要です。つまり、お客様を観察することが良い接客につながるのです」
3、「要約」で論理的思考を鍛える
「主張」と「具体例」の構造を紹介してきましたが、これは「要約する」ことで鍛えることができます。たとえば、新聞記事の要約や、受講した講座について要約するなど。