F&Aレポート

身近な平和について考える こども代表「平和への誓い」

身近な平和について考える こども代表「平和への誓い」

 戦後77年を迎える今夏。広島と長崎で行われる平和記念式典には、例年よりも多くの参列者がありました。ロシアのウクライナへの攻撃により、被曝の現実は遠い過去の話ではなく、現在のこととして世界が脅威を抱いている証しなのでしょう。

 広島市の式典では毎年、広島市内から選抜された小学生二人「こども代表」による「平和への誓い」が読み上げられます。今年も子どもたちの声で、子どもらしい言葉で平和への強い思いが発信されました。「自分が優位に立ち、考えを押し通すことが強さではない」と。ご紹介させていただきます。

平和への誓い
あなたにとって、大切な人は誰ですか。
家族、友だち、先生。私たちには、大切な人がたくさんいます。
大切な人と一緒に過ごす。笑い合う。そんな当たり前の日常はとても幸せです。

昭和20年(1945年)8月6日 午前8時15分。
道に転がる死体。死体で埋め尽くされた川。「水をくれ。」「水をください。」という声。
大切な人を一瞬で亡くし、当たり前の日常や未来が突然奪われました。

あれから77年経ちました。 今この瞬間も、日常を奪われている人たちが世界にはいます。
戦争は、昔のことではないのです。

自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと、それは、強さとは言えません。
本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れること、思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです。

本当の強さをもてば、戦争は起こらないはずです。
過去に起こったことを変えることはできません。しかし、未来は創ることができます。

悲しみを受け止め、立ち上がった被爆者は、私たちのために、平和な広島を創ってくれました。今度は私たちの番です。

被爆者の声を聞き、思いを想像すること。その思いをたくさんの人に伝えること。
そして、自分も周りの人も大切にし、互いに助け合うこと。

世界中の人の目に、平和な景色が映し出される未来を創るため、
私たちは、行動していくことを誓います。 (令和4年8月6日 こども代表)