「組織は人なり」「言葉は人なり」すなわち「組織は言葉」なり 9 日本語のおもしろい助数詞
「牛や馬を数えるときは、一頭、二頭と数えます。では、猫を数えるときは?」
「猫は一匹、二匹でしょう?」
「いや違う。猫はおひとり様、おふたり様と数えます」
「なんで?」
「飼い猫は一匹なんて呼びません。『うちの◯◯ちゃん』と呼ばれて家族同様、もしくはそれ以上の存在なんだから、おひとりさま、おふたりさまでしょう」(笑)
こんな笑いのネタに思わずクスリ…。助数詞とは、ものを数える時の単位ですが、日本語には500種類ほどあるといわれています。ただ日常で使用されているのはその半分くらいです。この助数詞は西洋から見たら、不思議で数が多く、かなりややこしいもののようです。今回は、助数詞の中でもあまり知られていないかな?というものをご紹介します。
1、うさぎは鳥?
うさぎの数え方は、一羽、二羽(いちわ、にわ)です。
仏教の教えで四つ足動物を食べることができない僧侶が、二本足で立ち、ぴょんぴょん跳ねるうさぎを「鳥類」とみなせば、食べることができるため「一羽、二羽」と数えたという説があります。また、うさぎの長い耳が羽に見えるから「一羽」と数えたとか、うさぎの骨格が鳥に似てるという説もあります。
2、神様は「柱」
神様の助数詞は「柱」です。一柱、二柱(ひとはしら、ふたはしら)。
由来には諸説ありますが、神様は自然に宿ると考えられていたため、木や石などでできた柱を神様に見立てる信仰があったという説。また、建物の大黒柱に神様が宿っていると信じられていたこと。さらに、古墳時代には天皇がなくなった際に、供養のために柱を立て、その柱に神様を降臨させる儀式が行われていたためといういわれがあります。
そういえば、世界も注目するアニメ「鬼滅の刃」では、「柱」と呼ばれるリーダーが存在します。もしや、神様の助数詞と関係があるのかも?
3、お守り、御札は「体」
お守りや御札は「体」(たい)です。一体、二体(いったい、にたい)と数えます。
神様が宿るもののことを依り代(よりしろ)と言いますが、お守りや御札も神様が依り代であり、神様の分身と考えられているため、「体(たい)」と数えます。神様そのものをさすわけではないので「柱」とは数えません。
4、位牌は「柱」
遺骨は、神様と同じく「柱」(はしら)で一柱、二柱(ひとはしら、ふたはしら)です。神様の数え方がもとになっていますが。亡くなった人の霊魂を「柱」と数えます。
宗派によっては「一体」(いったい)、「一座」(いちざ)という数え方もあるようです。
5、遺骨も「柱」
遺骨は「柱」(はしら)です。一柱、二柱(ひとはしら、ふたはしら)と数えます。
神様の数え方がもとになっています。
6、蝶は「頭」
ひらひらと舞う蝶ですが、助数詞は大きな動物と同じ「頭」。一頭、二頭と数えるので意外です。これは英語で、動物園で飼育されている生物全般を数える際に「head」という単位が使われていることに由来します。文献の表記も同様なので、論文を日本語に翻訳した際にもそのまま「頭」と直訳したことが発端と言われています。
論文発表も際にも「頭」が使われますが、一般的には「匹」が使われます。