F&Aレポート

季節の言葉にあやかろう

季節の言葉にあやかろう

 五月は最もさわやかで美しい季節と言われますが、今年は新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続き、とてもそんな気持ちにはなれないという人も少なくないようです。でも、こんな時だからこそ、思い切り窓を開けて自然の風を感じてみましょう。

 時間が停滞しているように感じる「ステイホーム」の間にも、宇宙はしっかりと時を刻み、自然は後退することなく前へ前へと季節を進めています。

 沖縄はすでに梅雨入りしました。沖縄は、毎年ゴールデンウィーク明けごろ梅雨入りし、一ヶ月半ぐらいして梅雨明けを迎えます。本州が本格的な梅雨を迎える頃には、沖縄は夏がやってきているというわけです。本州はこの時期「走り梅雨」。沖縄や奄美地方が梅雨入りすると、本州の南騎士にも前線が停滞することがあり、梅雨を思わせるようなぐずついた天気になることがあります。これを「走り梅雨」というのだそうです。

 そのほか、「五月雨(さみだれ)」「筍梅雨(たけのこづゆ)」などもあります。「五月雨」は五月に断続的に降る雨、五月のサと天気の「乱れ」で「さみだれ」という説も。「筍梅雨」は、筍の出る頃に吹く東南の風、その頃に長く降る雨。

 ちなみに「五月雨式ですみません」という言葉は、途切れ途切れになっていることを詫びる言葉です。たとえば、本来ならまとめて送るべきファイルを、パラパラとまとまりなく送るときに使います。

 季節ならではの風景が浮かぶ言葉には天地(あめつち)の力を感じます。コロナウイルスで身も心もくすぶりがちな時は、自然の力を大いに利用して元気をあやかりたいものです。