新入社員との関わり方「承認のバケツ」
「知らない人と電話で話ししたことがないんです」と、新入社員が真顔で相談にきました。
彼らは、物心ついたときから携帯電話があり、電話は個人間でやりとりするものという認識です。その電話だって滅多にかけることはなく、メールかラインで済ませています。お店や美容院の予約だってインターネット。彼らにとって電話は、かなり面倒な作業です。
ことほど左様に、育ってきた環境や価値観がまったく違うので、昔と同じような感覚で指導・育成をするとうまくいきません。いわゆる、ジェネレーション・ギャップをどう乗り越えるのか。人材不足の現代では、入社してきた若手の育成は必至の課題。悩ましいところです。
人は、心の中に「承認のバケツ」を持って生まれてくると言われます。愛され、褒められ、その存在そのものを認めてもらうことで、「承認のバケツ」は満たされます。
「承認のバケツ」が満たされれば、自分以外の人も承認できるようになります。また、「承認のバケツ」が満たされていれば、「叱られる」言葉も素直に受け止め、成長の糧にすることができるようになります。「承認」のないところに叱られても、それは反感や自己否定につながるだけです。
ツイートやインスタ、SNS等のコミュニティで、常に他者からの「承認」がエネルギーの原動力になっている世代です。まずは、素直に褒めるべき点は褒める。結果だけでなく、プロセス、考え方、存在そのものに「承認」のメッセージを送ることから始めてみてはいかがでしょうか。これは、若手社員だけでなく、上司、同僚、家族、友人の人間関係全般に通用するコミュニケーションの基本ともいえます。
出会いと別れの春は、人間関係の紡ぎ方を見直してみる季節なのでしょう。