ハラスメント相談窓口の心得と対処 1
未だかつて、これほどまで社会が「ハラスメント」を注視する時代があったでしょうか?
事業主はハラスメント防止の方針を明記し、相談窓口を設けることが義務付けられています。
とはいえ、すべてのハラスメント窓口が本当に機能しているかどうかは疑問です。ハラスメントの多くは、組織風土や仕組みの問題です。社内で解決できるよう2回にわたり、ハラスメント相談を受ける際の窓口の心得とポイントを整理してみましょう。
(1)相談は基本的にフェイスtoフェイス
相談者は大変な勇気をもって連絡してきます。まずは「ご連絡してくださってありがとうございます」と伝えることで、相談者は安心できます。メールや電話は誤解が生じやすいため面談の形をとりましょう。
(2)面談(ヒアリング)に相談者が来たことは、組織として解決の一歩
本人からの告発や協力がなければ、問題は解決しません。相談者は自身のことで頭がいっぱいですが、組織としても解決したい旨を伝え、全面協力の姿勢を示しましょう。
(3)迅速な対応
「解決までに時間がかかってもファーストアクションは早く!」が、鉄則です。原則、相談の3日以内にアクションを起こすことが望ましく、これを過ぎると、相談者の心理や周辺も変わって対応が難化します。相談者が一番嫌なのは、相談したのに放っておかれることです。窓口担当者は、相談後の流れを伝え、行動を起こしましょう。
(4)面談内容は記録する
「何度も同じことを聞いたり、聞き違いがあってはいけないので、メモをとってもよろしいでしょうか」と最初に告げます。こそこそメモを取る行為は、不安と不信感が募ります。相談者は、事実を伝えるだけでも、嫌な感情が湧き上がり言葉に詰まることや感情的になることもあります。また同じ話を繰り返すこともあります。メモをとることで、事実関係を整理しやすくなります。しっかりと傾聴しましょう。
(5)面談は2名体制で受ける
最低1名が同性であること。女性のセクハラ相談の場合、本人が望めば女性2名で対応することも。