「雲の向こうは、いつも青空」〝There is always light behind the clouds.〟は、1868年に発表された「若草物語」の作者ルイーザ・メイ・オルコットの名言と言われています。
日本にも同じような意味で「雲外蒼天」という四字熟語があります。雲の外に出れば青空があるように、目の前の困難を乗り越えれば、青空が待っているという意味で、いずれも心が明るくなる格言ではないでしょうか。子どもから大人までイメージしやすい言葉で、励ましのメッセージにもなる言葉です。
アンガー・マネジメント(怒りのコントロール)では、カッとなったら「6秒ガマン」といいます。これは「6秒ルール」といわれるものです。
実際には、6秒待ったぐらいでは「怒り」は鎮まらないのですが、6秒待てば「理性」が働き始めるといわれています。
「怒り」そのものは自然な感情なので、悪いものではないのですが、カッとなった勢いで悪態をついたり、強い口調で非難するなどの攻勢に出ても、多くの場合、問題解決にはいたりません。むしろ人間関係をこじらせたり、相手を深く傷つけてしまうこともあります。「6秒ルール」を実行することで「言い方」を考えたり、「視点」を変えたりということができるようになるといわれます。中でも「その場所を離れる」「距離をとる」ことはとても有効で、冷静になり、客観的に見ることができるようになります。
「雲の向こうは、いつも青空」は、アンガー・マネジメントにも有効な呪文になりそうです。怒りでモヤモヤしていても、空に目をやり、遠い宇宙をイメージすれば、少し気持ちが落ち着くこともあるのではないでしょうか。
今は土砂降りでも、雲の向こうは晴れ。ここのところ降り続く大雨も上がって、大地にも心にも美しい青空がのぞきますように。