コロナ禍の年賀状
つい先日のこと、早朝出勤前に郵便局のポストに年賀状を投函している若い男性を見かけてびっくりしました。上下黒っぽい服装にバックパックを肩にかけた男性は、ポストの前に立ち止まり、おもむろに鞄から10枚ぐらいの年賀状を取り出し、それぞれ宛名を確認してから投函していました。パッと見た感じはまだ20代の、少し髪の毛の長い青年でした。
ポストの差し出し口には、『年賀状専用』というシールもまだ貼られていません。「もしかしたら間違って年内に届くのでは?」という余計な心配と、「いまどき、あんな若い人でも年賀状を出している!しかも、こんなに段取りよく早々と年賀状を出している!」と、私は少々面食らったのでした。当然、私はまだ年賀状の準備には、まったくいたっていませんので、自分自身のていたらくを恥ずかしく思ったりもしました。
今年は「コロナ禍だからこそ年賀状を出す」という人と、「コロナ禍だからこそ年賀状を出さない」という人と、大きく分かれるようです。
前者は「会えないからこそ年賀状を出す」、後者は「コロナ禍なので新年を祝う気分ではない」。また「年賀状に付着するウィルスが心配」というのが主な理由のようです。
どちらも一理ありです。今の状況を見てどう解釈し、どう判断するかは各自の自由です。ライフスタイルや価値観も大きく変わるご時世なので、どちらを選択しても間違いではないでしょう。
なお、年賀状を出す際には、「去る」「絶える」「衰える」「病む」「破れる」「倒れる」などの忌み言葉に気をつけましょう。「去年」は「昨年」「旧年」と言い換え、「コロナ禍」は「禍」なので、「コロナウイルスの影響」「自粛生活」など別の表現に。新年にふさわしい晴れやかなことばを添えたいものです。