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日本語トレーニング(9)敬語はこうして身につける

日本語トレーニング(9)敬語はこうして身につける

 最近の新入社員は、メールよりも電話応対に苦手意識を持っている人が多いようです。その根底には、敬語やビジネス用語が咄嗟に出てこない、使えないという課題があります。

 メールであれば、調べながら時間をかけて作成するということもできますが、電話はそうはいきません。また、相手があることなので会話がどのような方向に向かうのか、見当もつかず不安要因がたくさんあります。そこで今回は、敬語の覚え方をご紹介します。

 実際の場面で、すぐ使えるようになるには、主語をつけて声に出して覚えることです。

1、身につけたい敬語の区別

「い る」……私は「おる」 あなたは「いらっしゃる」
「す る」……私は「いたす」 あなたは「なさる」
「行 く」……私は「参る」「伺う」 あなたは「行かれる」「いらっしゃる」
「来 る」……私は「参る」「伺う」 
       あなたは「お越しになる」「お見えになる」「いらっしゃる」
「言 う」……私は「申す」「申し上げる」
       あなたは「言われる」「おっしゃる」
「見 る」……私は「拝見する」 あなたは「ご覧になる」
「もらう」……私は「いただく」「頂戴する」
       あなたは「お受けになる」「お納めになる」
「食べる」……私は「いただく」、あなたは「召し上がる」
「会 う」……私は「お目にかかる」 あなたは「お会いになる」
「聞 く」……私は「伺う」「承る」「拝聴する」 あなたは「お聞きになる」

2、外国語と思って覚えよう

 敬語を使い慣れないうちは、“外国語”感覚で覚えるぐらいの方がいいかもしれません。「私は」に続く言葉は、謙譲語。「あなたは」に続く言葉は、尊敬語です。いずれも、相手を高める表現です。

 また、「私は」の部分が、「弊社」「こちら」「当方」などの言葉に変わっても同じです。同様に「あなたは」の部分が、「御社」「先生」「社長、部長など(上司)」に変わるときも同じ表現(尊敬語)になります。声に出せば、口、耳の器官が働き、より脳にインプットしやすくなります。

3、「いらっしゃる」を上手につかうと品がいい

 「いらっしゃる」は、「行く」「来る」「いる(居る)」に共通する尊敬語で、非常によく使います。先に述べた以外にも、「どちらへお出かけでいらっしゃったのですか」「○○会社の部長でいらっしゃいます」「ただいま、会議中でいらっしゃいます」など、用途が広く「いらっしゃいませ」も、この「いらっしゃる」から派生しています。
「どちらにお出かけだったのですか」
「どちらにお出かけでいらっしゃたのですか」
この二つの響きのちがいを感じてみてください。
「いらっしゃる」を使いこなすだけで、敬語の幅がグンと広がり、品がよく丁寧な印象になります。敬語は、相手への敬意だけでなく、自分の品格や教養を表します。

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