F&Aレポート

「名前」を呼べば、サービスはアップグレード!

「名前」を呼べば、サービスはアップグレード!

 以前から、コミュニケーションにおいて名前を呼ぶことの重要性を述べていますが、あらためて驚き、喜び、感動!の思い出となった、最近の出来事をご紹介します。

 ある時、古稀のお祝いでレストランを予約しました。その際に、こちらの名前を名乗り、当日来店した際には名前を確認されました。それは、至極当たり前のことなのですが、食事を終えて精算も済ませてエレベーターを待つ際に、給仕の方が「織田様、お肉のお味はいかがでしたか?」と、訊いてきたのです。

 私は一瞬ハッとしました。その場で自分の名前を呼ばれたことに軽い驚きがあったのです。念のため、補足しておきますが、そのレストランは初めて利用するレストランでした。私は常連でも、顔見知りでもありません。

 尋ねてきた給仕の方は、食事のときに私がメニューを選ぶのに迷っていたところ、アドバイスをしてくださったのです。「今日は、○○産の良いお肉が入っていますよ」と。私は彼のアドバイスに従って注文をしたのです。そんな些細なことを覚えていてくださったことと、私の名前を呼びかけてくださったことが嬉しかったのです。

 当日、そのレストランは満席で他にも多くのお客様がいたにも関わらず、帰る間際まできめ細やかな対応をしてくださったことに感動しました。

 帰りがけのこのひと言、名前を呼びかけなくても訊くことはできます。「お肉のお味はいかがでしたか?」と。それだけでも素晴らしいサービスです。

 しかし、そこに「名前」が添えられているだけで、素晴らしさはさらにアップします。そしてオンリーワンを感じさせるサービスになるのです。この一件で、そのレストランを見直し、さぞかし徹底した接客サービスをされているのであろうと感心したのはもちろん、その給仕の方の人柄の良さまで伝わってきました。その出来事から一ヶ月近くが経つ今も、そのときのハッとした驚きは心の奥に刻まれています。たったひと言、名前を付けるだけでこんなにも余韻が残るなんて…と、あらためて実感した出来事でした。