F&Aレポート

ダイバーシティ時代のハラスメント

ダイバーシティ時代のハラスメント

 先日、高校生の息子とたわいない話をしていたときのこと。私が「男らしくないね」と言うと、息子がすかさず「その発言はジェンダーハラスメント。差別でしょ」と、言いました。ちょうど、学校の授業で勉強しているとのこと。つづいて、「そもそも『男は仕事、女は家庭』という概念もおかしいし、男らしい女らしいという言葉で片付けるのも世界的に見たらどうなのか」と、言い放ちました。今さらながら、これが次代を担う若者の感覚なのだと思い知らされました。

 「ハラスメント」とは、いじめや嫌がらせという意味です。今、日本にはこのハラスメントが30種類?40種類もあると言われています。セクハラ(セクシャルハラスメント)、パワハラ(パワーハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)、ソーハラ(ソーシャルハラスメント)、テクハラ(テクノロジーハラスメント)、スメハラ(スメルハラスメント)etc、、、本当にハラハラするほどのハラスメントがあり、恐らくこれはまだ増えると思われます。そんな数多あるハラスメント用語の中でも「レイシャル・ハラスメント」=「レイハラ」=人種差別については、日本ではまだ新しい部類なのではないでしょうか。

 通訳をしているアメリカ在住の友人は、職場でいろんな人種や宗教の人達と接するので「レイハラ」には細心の注意を払っているといいます。たとえば、「ブラック」という言葉はできるだけ使わない。「レッド」(インディアンに対する差別用語)「イエロー」(黄色人種に対する差別用語)も状況次第で気をつける。

 また、最近は同性愛者も多いため、「ワイフ」「ハズバンド」ではなく「Spouse(スパァゥス=配偶者、連れ合い、本格的な恋人)」を使っているということです。

 日本では、男女雇用機会均等法が約30年前に施行され、雇用における男女の均等な機会や待遇が増進され、差別について見直される機会が増えたように感じられます。時代の変化とともに「ハラスメント感覚」を身につけておきたいですね。