「イヌリン?ああ、知っているよ」という人はどのぐらいいるのでしょう。
先日、サンドイッチのファストフードチェーン「サブウェイ」に久しぶりに行きました。日頃、ファストフード店には縁がないため、何かと珍しく物色していると、店頭に「イヌリン入り ドレッシング」のメニューがあり驚愕!してしまいました。
「ファストフード店にイヌリン?」と、一瞬目を疑いました。健康やダイエットに興味のある方ならともかく、巷の健康志向はここまで来ているのかと納得しました。今回は美容健康フード 「イヌリン」をご紹介します。(参考 日経バイオテク)
1、「イヌリン」のメリット ざっくり言うと
- 食前に飲むだけで脂肪吸収をマックス20%抑えることができる
- 食欲抑制ホルモンが出る
- 腸内細菌のエサになりやすいので腸内環境が良くなる
- 善玉菌の一種であるビフィズス菌を増やすので便秘改善にもおすすめ
- 溶かすだけなので飲みやすい
- ご飯と一緒に炊いても良し
- スープや味噌汁に入れても良し
- ダイエットだけでなく野菜不足の人にもおすすめ
* 「イヌリン」は水溶性食物繊維なので、野菜と同じと考えてOK
2、「イヌリン」?キク科の植物から抽出された食物繊維
菊芋やごぼう、玉ねぎなどキク科の植物は、栄養源としてイヌリン(Inulin)を合成し、肥大した根や地下茎などに貯蔵していて、欧州では、キク科のチコリの根から抽出・精製されています。
イヌリンは水溶性食物繊維の一種なので、ヒトの消化器では分解できず大腸の腸内細菌によって初めて代謝されます。そのため、栄養成分表示では、糖質ではなく食物繊維として扱われます。イヌリンを継続的に摂取すると、善玉の腸内ビフィズス菌の数が増えることがわかっています。また大腸ガンの予防にも効果があるとの論文もあります。
3、あのお茶にも記載あり
消費者庁が提供する機能性表示食品の届出情報検索によると、イヌリンを機能性関与成分とする届出は106件ある(2023年3月)と言われています。
そのうち42件で、お腹の調子を整える効果や血中中性脂肪を下げる効果を訴求しています。たとえば、サントリー食品インターナショナル「おいしい腸活 流々茶」では、「本品にはイヌリンが含まれます。腸の動き(ぜん動運動)を活発にする成分であるイヌリンは、お通じの習慣を改善することが報告されています。本品はお腹の調子をすっきり整えたい方に適した飲料です」と、パッケージに表示してあります。
<海外の研究では>
米Cargill社はベルギーCosucra Group Wsrcoing社と共同で、イヌリンのヒトでの効果を検証した。二重盲検ランダム化プラセボ対照試験において、健常人が1日2回2.5gのイヌリンを4週間摂取すると、善玉の腸内ビフィズス菌の数が10倍に増えた。また、イヌリン摂取者では、大腸内の発がん物質の量を増加させる働きがある酵素βグルクロニダーゼの活性が著しく低下していた。プラセボ群ではこのどちらも観察されなかった
帝人は2018年から、機能性食品素材としてイヌリンの販売を強化しています。イヌリンで世界市場占有率が第2位のオランダと日本におけるイヌリンの独占販売契約を締結。
「イヌリア」の商標も登録。帝人はイヌリンを使ったサプリメントを自社販売しているほか、他社にも原料供給しています。水溶性食物繊維としては難消化性デキストリンが日本ではメジャーですが、グローバルで見るとイヌリンの方が使用量は多いのです。