知的日本語トレーニング6 ~ちょっと恥ずかしい。無意識のうちにつかっている間違い敬語
1、電話編
(1)×「お世話様です」→ ○「お世話になっております」
「お世話様です」は、「ご苦労様です」というねぎらいの表現と同じように使われる場合があります。目上の人や、社外の人に対しては軽い印象になり失礼です。
(2)×「お電話番号をいただけますか」→ ○「お電話番号を教えていただけますでしょうか」
「教えて」が脱落した間違った表現です。「お名前をいただけますか」も同様。電話番号も名前もあげるものではないので、「教えていただけますでしょうか」「聞かせていただけますでしょうか」などの表現が適切。
(3)×「本日、○○はお休みをいただいています」→ ○「本日、○○は休んでおります」
「いただく」は、くれる人を高める謙譲語です。休みを許可した自社の上司を高めて外部の人に話すことになるので不適切です。
(4)×「こちらから電話を入れます」→ ○「こちらからお電話いたします」
目上の人や社外の人に対して、「電話を入れる」は見下した印象を与え、失礼になります。「ご連絡します」と言い換えることもできます。
2、日常会話編
(1)×「すごく参考になりました」→ ○「大変勉強になりました。早速、○○します」
「参考になった」は、「ものを考える際の足しにする」という意味。目上の人には失礼な表現になります。このケースでは、「早速、○○します」という行動を示すと好感度が一層高くなります。
(2)×「なるほど」→ ○「そうですか」「そうなのですね」
「なるほど」は、目下の人に対して使う表現。打ち合わせや相づちをうつときに、つい使ってしまいがちですが、不快感を与えることもあるので要注意です。
(3)×外部の人に「営業を担当させていただいています、○○です」→ ○「営業を担当しております、○○です」
「させていただくは」は、「させてくれる人」を立てる表現。多用する人が増えているが、間違った使い方で相手に違和感を与えることもあります。この場合、自分の上司を立てることになるので社外の人に対しては不適切。
(4)×食事をすすめられて「いえ、もう結構です」「大丈夫です」→ ○「十分いただきました。ごちそうさまでした」
「結構です」は、相手を突き放した印象になることもあります。「大丈夫です」は、そもそもこのケースでは不適切ですが、最近は多用されています。ほかに「十分頂戴しました」という表現でも良いです。
(5)×「車が到着なさいました」→ ○「車が到着しました」「車が到着いたしました」
「なさる」は尊敬語ですが、「もの」にはつけません。「いたす」という謙譲語にすれば、聞き手に対する敬意を表現できます。