「職場の環境整備~健康で生産性を高める「7つの行動」
●健康経営を推進するため職場環境を整備するときは、健康の保持・増進と生産性を向上する「7つの行動」に照らし合わせて検討してみましょう。
●環境整備によって、健康を保持増進する良い行動を自然と誘発することができれば、健康意識の個人差にとどまらず、行動変容を促すことも可能です。
●経済産業省が全国のビジネスパーソン約2万人を対象にした調査の結果、職場における健康を保持・増進する行動は7つに大別でき、各行動は特定の健康課題と関連があることがわかっています。またこれらの行動は、関連する健康課題の予防・改善を通じて、働く人のパフォーマンス向上にもつながります。
●働く人がイキイキと健康で、企業全体が活気あふれた状態になるよう、空間(家具、レイアウト、内装等)、設備(照明、空調等)、情報(ICT・インフラ等),運用(制度・ルール)など、広い観点での職場環境を、できるところからできる範囲で整えていきましょう。
「健康を保持・増進する7つの行動」←オフィス環境が行動を誘発!
- 快適性を感じる
- コミュニケーションする
- 休憩・気分転換する
- 体を動かす
- 適切な食行動をとる
- 清潔にする
- 健康意識を高める
(1)快適性を感じる
職場で快適性を感じながら仕事をすることは、運動器・感覚器障害、メンタルヘルス不調、ストレス性内科疾患の予防・改善につながります。他者との距離感を適切に感じられるようなスペースを確保し、体格に合わせて調整できる什器や設備を整え、採光、換気、植栽なども工夫して、五感で快適性を感じられるようにすると良いでしょう。
(2)コミュニケーションする
業務上必要なものだけでなく、挨拶する、笑う、感謝するといったインフォーマルなものも含めて、適切にコミュニケーションすることは、メンタルヘルス不調、ストレス性内科疾患の予防・改善につながります。仕事、食事、休憩に使えるカフェなどを設ける他、同僚の仕事内容や人となりを理解するための情報掲示板やデジタルサイネージを活用する、部署や職位を横断したメンバーで行う掃除など、設備や運用にも工夫するといいでしょう。
(3)休憩・気分転換する
昼休みなどの決まった休憩をきちんと取ったり、整理整頓などの作業で気分転換を図ったりすることは、ストレス性内科疾患の予防・改善につながります。作業効率を高めるためにも昼寝・マッサージなどを取り入れて積極的に疲労を回復する。また、時々雑談する、離席するなどの行動をためらわないような環境や雰囲気づくりもあると良いでしょう。
(4)体を動かす
長時間の連続座位を避け、歩いたり階段を利用したりして仕事中に体を動かすことは、運動器・感覚器障害と生活習慣病の予防・改善につながります。デスクワークや打ち合わせを立って行う家具を導入したり、自然と歩数が増えるように通路やプリンターなどの配置を工夫したり、軽い体操やストレッチができる場所を設けるのも良いでしょう。
(5)適切な食事行動をとる
できるだけ体に良い飲み物や食べ物を適度な間隔でとることは、生活習慣病の予防・改善につながります。職場で提供するメニューは、健康意識を向上させるように、内容とともに情報提供にも工夫をすると良いでしょう。また、食事の間隔をあけすぎないように、コミュニケーションや休憩を兼て、適量の間食をとれるような場所もあると良いでしょう。
(6)清潔にする
快適で衛生的な職場にするため、まずは分煙した上で、身の回りの掃除をしたり、手洗い・うがいをすることは感染症・アレルギーの予防・改善につながります。出入り口やトイレには衛生用品を常備し、清潔な行動を呼びかける情報提示も良いでしょう。
(7)健康意識を高める
健康意識を高めることは、健康づくりの基本です。日常的に健康情報に触れられる情報提示・配信などの仕方を工夫すると良いでしょう。また健康診断以外でも自分の健康状態を確認できるよう、休憩スペース等に測定機器を置くと良いでしょう。