F&Aレポート

「さもしい」行為に襟を正す?

「さもしい」行為に襟を正す?

 「さもしい」という言葉を知っていますか。最近はあまり聞かなくなったかもしれませんが、辞書で調べると「品性が下劣なさま、心根が卑しい」と、あります。

 昨年のヒット商品でもある”コンビニコーヒー”は、今もなお快進撃が続いています。安価でクオリティの高いコーヒーを、一日1杯ならず2杯、3杯と飲む人もいるようです。この”コンビニコーヒー”はレジでお金を支払い、自分でコーヒーメーカーをセットして、砂糖もミルクも好みの量だけ入れます。砂糖とミルクは通常、コーヒーメーカーのそばに、それなりの量が用意され「ご自由におとりください」という形になっています。

 ところがある日、いつもの通りコーヒーを注ぐと、砂糖とミルクがありません。その代わり「砂糖とミルクは店員に声をかけてください」という張り紙がありました。不審に思いながら声をかけると「ひとつずつでよろしいでしょうか」と聞かれ、そのまま受け取りました。いつもと違う手順に煩わしさを感じたのですが、聞けば大量に(砂糖とミルクを)持って帰る人がいるということらしく、なるほどねと思いました。

 小さいことかもしれませんが、商売している側からみれば、砂糖やミルクを大量に持って帰られるのは、決して面白いことではありません。1円の単位で利益を考え、高いロイヤリティを払い24時間365日、必死で商いをしているわけです。

 これはマナーというよりもモラル、良識の範疇なのかもしれません。給料は上がらず、消費税も上がる中で少しでも節約したいという気持ちは多いに分かりますが、少し寂しい気持ちになり、ふと「さもしい」の文字が頭に浮かびました。サービスを提供する側と、それを享受する側の気持ちのいい信頼関係があってこそのお互いのメリット=「快」ではないでしょうか。美味しいコーヒーを飲みながら考えさせられた出来事でした。

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