「単純接触効果」~接触頻度が増えるほど好意的になる
コロナ禍で「新しい生活様式」が定着しつつあります。この「新しい生活様式」には密閉・密集・密接しないなどのいわゆる「3密を避ける」などがあり、ビジネスの会合やプライベートな飲み会も極端に減ったように感じます。
人間はそもそも社会的な動物なので接触を求めるのは人間の本能ですが、人との接触が断たれると「個立」が、「孤立」になったように感じる人も少なくないようです。
心理学では、相手と顔を合わせる回数が多いほど、相手への好意が上がる現象を「単純接触効果」といい、その人物の内面を知れば知るほど好感度が上がる現象を「熟知性の原則」といいます。
相手の性格を知れば知るほど、相手に対する恐怖心が薄れてきます。相手が何を好み、どんな行動を不快と感じるのかなどを知らないままでは、緊張した状態で過ごすことになりますが、相手のことがわかるようになると、その緊張は薄れ不安感が少なくなります。
コロナ禍では、「単純接触効果」も「熟知性の原則」も簡単には望めそうもないのですが、だからといって悲観することはありません。
ZOOMやスマホなどの新技術を活用すれば、対面に比べて接触濃度は薄くなるかもしれませんが、コミュニケーションを図ることは可能です。また、大変アナログかもしれませんが、この機会に思い切って手紙やハガキといった古典的な?手法を活用するのも案外新鮮なコミュニケーションになるかもしれません。
「『量』は『質』を超える」という言葉もあります。少し物足りないような接触でも、回数を重ねることで、「単純接触効果」を上げることは不可能ではないでしょう。
リアルな接触がなくても、私たちは決して「孤立」ではありません。今できることを模索しながら縁を紡いでいきたいものです。