自発的な「メモ」と、「メモする」ことを前提に話す
<新入社員はメモしない>
毎年、新入社員の研修をしていて不思議に思うことがあります。それは「メモをしない」ということです。机の上には資料やレジメを配布され、筆記用具もあるはずなのに、講師が「大事なところは忘れないように各自、メモしてください」と言わない限り、彼らの手は膝の上で不動のままでいます。
新社会人になり、慣れない研修という場において緊張しているせいか、学生時代の名残で、先生が板書したことのみを書けばいいと思っているのか、原因はよくわかりませんが。こう考えると、自発的にメモできるようになることが、まずは社会人としての入り口なのかもしれません。
<メモしやすい指示とそうでない指示>
説明がわかりやすい人の指示は、メモしやすいということはありませんか?
これは多分、「相手がメモをすることを前提」として話しているからだと思います。
相手に何を依頼したいのか、その背景には何があるのか、求める成果は何なのか、その仕事がどんなことに繋がるのか、締め切りはいつなのか、少なくとも自身の頭の中で整理できている(メモできている)はずです。
さらに、目の前の相手だけではなく、メモした部下や取引先が、第三者に伝えることをもイメージできているはずです。
自分の指示(ことば)がメモになり得るかどうかチェックしてみたいものです。
<メモしてもらっていいですか>
説明を始める前に「メモしてもらっていいですか」と切り出すことは、お互いにとって有効です。聴き手は即座にメモの準備を始めるでしょうし、話し手は「メモされる」ことを意識して説明をします。即ち、箇条書きにできるよう自分のことばをマネジメントするからです。そつのないホウ・レン・ソウは、”メモ”から始まります。春、心機一転”メモ”を見直してみてはいかがでしょうか。