“GOOD & NEWS”は感性を磨き、伝えるチカラをつける ただの体験を意味ある情報にする
■ 私の話し方教室では「24時間以内のHAPPYを発表する」という訓練があります。これを「GOOD & NEWS」と呼んでいます。この”GOOD & NEWS”には、3段階のレベルがあります。レベル1は、即座に発表できること。レベル2は、テーマをつけて発表できること。レベル3は、社会的な視点があることです。
■ 慣れないうちはたいてい、何を話せばいいのかわからずネタに困ります。「えーっ、24時間以内にHAPPYだった出来事なんかありません」と。でも実はこれ、感性を磨き、情報に価値をつけるトレーニングになります。
■ 営業報告や、会議での発表がマンネリ化することってありませんか。または、上司が部下に「何か変わったことはなかったか?」と聞いても、「特に変わりはありません」という答えしか返ってこないとか…。本当に何も「変わりない」のでしょうか。それは大事な情報に気づいていないだけかもしれません。
■仕事の報告や発表、対人関係づくりにおいても役立つかもしれない”GOOD & NEWS”について特集します。
1.”GOOD & NEWS”レベル1 自分の内にある「情報」に気づく
「24時間以内にHAPPYなことってないよ」と、最初は誰でも首をひねりますが、些細なことでいいのです。「夕べのビールが美味しかった」「今朝は満員電車で座れた」「手間のかかる案件がすっきり片付いた」など。24時間もあれば、いろんな出来事(事実)があるはずです。その出来事(事実)により、感情はどう変化したのでしょうか。
激しい喜怒哀楽でなくとも、ささやかな喜びや楽しみ、発見、驚きなど。それが”情報”であり話の”ネタ”なのです。
”GOOD & NEWS”には、体験が伴います。体験が伴うということは、具体性があります。説得力のある話になりうる可能性を秘めています。だから共感を得られやすいのです。
「私の体験なんて大した事ない」ことはありません。体験は価値ある「情報」になり得ます。それにはちょっとしたコツがあるのです。
2.”GOOD & NEWS”レベル2 テーマをつけましょう
たとえば、「コンサートの帰りに友達と行った定食屋のハンバーグセットが、580円という安さにも関わらず充実していて美味しかった」という体験を発表するとしましょう。
話の流れとしては「コンサートはすごくよかったが、終わってみると9時を過ぎていた」→「コンサートが終わってオシャレなレストランで食事をする予定だったが、いっぱいで入れなかった」→「仕方ないので、その近辺にあったチェーン店の定食屋に行った」→「その店には初めて入ったが、まず安さに驚いた。580円でハンバーグッセットを注文した」→「意外に美味しくて、サラダとスープも付いて充実していた。皆、大満足だった」→「最初はレストランに行けなくてがっかりしたが、結果よかった。私はまたその定食屋に行くと思う」というような感じです。では、これにテーマをつけるとしたら、どうですか?
テーマとは主題。新聞でいえば見出しの部分です。「つまり一言で言うとこうですよ」ということです。そのテーマを話の最初と最後にもってきましょう。上記の話は、実際に生徒さんが発表された「GOOD & NEWS」です。テーマは「定食屋、感激!」でした。
3.”GOOD & NEWS”レベル3 社会的な視点を入れる
さあ、続いては「社会的な視点」を加味してみましょう。社会的な視点というと難しく思うかもしれませんが、時事的な話を入れるということです。この視点が入ると、ただの世間話ではなくなります。
さきほどの「定食屋、感激!」の話でいえば、「最近はこういった定食屋が増えている」とか、「24時間営業の定食屋には、夜中でも学生やサラリーマンが多いが、朝はシニアのお一人様が多いらしい」とか、「この価格で、これだけのサービスを提供できるのは、流通のしくみや、食品管理などのインフラがしっかりしているからだ」など、一つの小さな体験から社会の動きが見えるようなコメントを入れるのです。そうすると、聞いている側も一層面白く聞くことができます。
慣れないうちはこの「社会的な視点」は難しいかもしれませんが、日頃のニュースや話題になっていることを照らし合わせてみる習慣をつけるのです。もちろん、それには日頃から感性を磨いておく必要があるのは言うまでもありません。日頃から「?」「なぜ」「面白い」「へぇー」と感じることが大切です。
情報はあなたの中にあるのです。