ボストーク松山藤原塾

ビールが沁みるっ!

【季節の話題】

気温がだんだん上がってきてビールの美味しい季節になりました。ビールを飲まれる方はどの銘柄がお好きでしょうか。サントリーがお好きな方はいらっしゃいますか?4月から始まったサントリー生ビールの新しいTVCM、「沁みるあゆみさん(勇気)」篇は、女優の河合優美さん出演で、今治市を中心に撮影されたものです。今治市内の青果市場、しまなみ海道の飲食店、(多分)今治港で撮影されています。短い時間ですが、彼女の演技、瀬戸内の風景を見ながら美味しいビールを楽しんではいかがでしょうか。

【今週考えたこと】

今週の「愛媛県が一番のコーナー?」です。4月12日付の愛媛新聞によると、都道府県庁所在地や人口15万人以上の81都市の中で、2月末時点のバス代は松山市が最も高いことが分かりました。基準となる距離7㎞の運賃は620円で時点の高松市の500円を大きく引き離しています。さらに、今年の4月からは680円に値上げされているそうで、ダントツ1位!です。私はバスをほとんど利用しないのですが、毎日通勤や通学で利用する人たちにとっては大きな出費となっています。これだとマイカー通勤した場合のガソリン代+駐車場代の方が安くなります。運転手不足による賃上げ、新しい車両のための設備投資と値上げした運賃の根拠はあるのだと思います。また、坊っちゃん列車運休の際に、観光資源として復活を要望する声も多数ありましたが、坊っちゃん列車も黒字とは思えませんから、一方的に値上げが悪いと判断することもできないと思います。ただし、利用者がもう乗れないと感じるレベルに達しつつあることも理解してほしいところです。

伊予鉄道の会社としての性格をClaudeを使って調べました。伊予鉄道(正確にはホールディングス化して伊予鉄グループ)は地方の民営鉄道でありながら資本金15億円、株主数は約2,000名で8割が個人株主とされます。相続税の申告をお手伝いすると、伊予鉄道の株式が出てくることが時々あります。その理由は、1,000株以上持っていると電車バスに優待が受けられるからというのが多いようです。例えば、子どもの通学のために持っていたと言うことですね。

愛媛県周辺の鉄道会社も調べてみました。香川県にある琴電(ことでん)は資本金9000万円ですが、同族企業の性格が強く、詳細は不明です。広島県にある広島電鉄は東証スタンダードの上場企業で、株主数は約7,200名、個人の割合は7割とされています。伊予鉄道はこの2つの会社の中間にあるような感じですね。株主の存在から見ても地元に根付いている企業だけに、このような記事が出た以上、どのような還元策が採られるのか注目されます。

次に愛媛から飛んで中東の話題。4月11日からパキスタンの首都イスラマバードで開催された米国とイランの戦闘終結に向けた協議は合意に至りませんでした。もともと両国のスタンスが違いすぎていて、合意は困難だろうと思われていました。想定内のことであり、お互いに歩み寄ってあと一歩のところで決裂したのではなく、最初から話が合わなかったということかもしれません。そもそも両国の意見で共通しているのは、戦闘をやめたいことと自分たちが勝利したと宣言したいことであって、それ以外は完全なすれ違いでしたから。メディアの報道を見ても、決裂のことを皆が自然に受け止めているというのも不思議な感じです。

その後の報道によれば、市場はまだ両国の対話が完全に決裂していないことに望みを持っているように見えます。米国の大統領よりも大人として冷静にみているという感じでしょうか?

問題は、ホルムズ海峡の封鎖がいつまで続くか、石油とそれに関連する資源不足がいつ、どのように改善されるかです。この1週間、私どものお客様とこの問題について話す機会がありましたが、石油関連の資源について来月からの値上がりや、出荷の停止のような話も出ているようです。昨日の報道でも、TOTOがユニットバスの受注を停止したというニュースがありました。石油由来のナフサから作られる有機溶剤がないとユニットバスが作れません。石油に関連する素材不足が広がってきました。住宅建設やリフォーム産業だけでなく、もっと広い分野に影響してくると、日本経済はかなりのダメージを受けるでしょうし、国内だけでなく世界中が同じような状況ですから、世界的規模での経済縮小が起きる可能性があります。

このような事態になって、日本が石油の9割近くを中東に依存していることが問題視されています。しかし、日本の企業は盲目的に中東に9割依存してきたわけではありません。

この記事によれば、「中東産の原油は硫黄分を比較的多く含む。国内の製油所はこうした比重の重い原油を精製してガソリンや重油、灯油、ナフサなどの石油製品をつくる。米国産などは硫黄分が少なく比重が軽いため、国内の製油所での精製に向いていない。」とされています。米国産などの石油を精製するためには新たな投資が必要であり、また同じような精製ができない可能性があるのだと思います。また、仮に米国から輸入すると、中東から輸送する場合の倍の日数がかかると言われています。これはコスト増です。

現在の状況を、中東依存に偏りすぎた体質について、民間のみで改善策を考えるのは難しいと思われます。このような事態を招かないように採算を度外視した石油の輸入と姿勢の問題を考えるのは政治の役割です。現状の打開に向けて、政治も具体的な方策を検討すべき時期だと思います。

翻って企業経営を考えると、リスク分散は重要だと言われます。一つの大口の得意先を持つと、取引が突然打ち切られると・・・になるから、分散した方が良いということを言われますが、分散するとコストがかかり効率的ではありません。また、一方では選択と集中と言われます。結局どうしたらええねん?となるくらい、経営は難しい仕事です。

伊予鉄道の運賃問題も、日本の石油精製問題も、単純に右か左かの選択肢で解決する問題ではありません。

昨日、ハンガリーで行われた議会選挙で16年ぶりに政権交代が実現し、欧州連合EUの支援を受けていた非リベラル民主主義政権が敗北しました。日本ではあまり取り上げられていませんが、もしかすると政治の変化が生まれつつある予感がします(当てにはなりません)。

ふと思ったのですが、米国がこの戦争から撤退するための綺麗なシナリオは、トランプが大統領を辞めることかも、です。

給付付き税額控除の議論もだんだん具体的になってきました。残念なのは、「税」の問題なのに、税理士会が関わっていないこと、そのためなのか税理士(会)からの発信がないことです。次回からはこの問題についても触れていきたいと思います。

【今週のAI】

これは中東で起きているのと同じくらい凄い事件です。最先端の技術なので正確ではないかもしれませんが、私が理解した範囲で説明します。4月7日AI技術の1つであるClaudeを開発しているAnthropic(アンソロピック)が、新型AIモデルである「Claude Mythos(クロード・ミトス)」を発表しました。その性能はとても高度なもので、既存のソフトのコードを読み解き、開発元さえも知らない脆弱性を数千件見つけたそうです。技術があまりに切れすぎて、大きな被害が出ることを理解したアンソロピックはこの技術を一般公開することを避けました。米国政府もこの問題に敏感に反応し、財務長官、ゴールドマンサックスなどの大手金融機関の経営責任者のほか、FRBのパウエル議長も加わって、AIによる高度なサイバー攻撃の問題について議論を行っています。なぜそれほど大きな問題になるのか。ご存じのように世界の金融機関の裏では巨大なシステムが動いています。もしこのAI技術がそのシステムの脆弱性をいとも簡単に把握できるということは、その脆弱性を見つけて世界中の金融機関のシステムをあっという間に乗っ取ることができてしまいます。まさにトムクルーズ主演の「ミッション・インポッシブル デッドレコニング」の世界、いやあんなに体力使わないでもキーボードだけで簡単にできてしまいます。AI技術は、このアンソロピックだけではなくOpenAIのような米国企業、中国はじめとする海外の企業でもほぼ同レベルの開発が進められており、この技術の進化を悪意のあるユーザーが活用できる可能性も広がることになります。少し前にお伝えした自律型AIに関連する課題ですが、それがより具体的になってきたと言えるでしょう。AIの単純で自由な進化は人類にとって危険であることを理解して、世界は対策を進めて行くべき時に来ていると思います。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。