皆さん こんにちは
【季節の話題】
昨夜、青森県八戸市で震度6強を観測する地震がありました。最大震度7を記録した能登南東地震からほぼ2年。大きな地震が起きる頻度が短くなってきていることが心配です。自然の営みですから、私たちには避けることができません。今、人間社会で起きている紛争や混乱も、地球で起きてる事象から見るととてもちっぽけなものだと感じます。
先週は久しぶりに東京で税理士会の会議があり、飛行機で出張してきました。コロナ前は年間50回くらい出張していましたが、今は年1〜2回。時間を置いて東京の変化を見ることができて、ちょうど良い感じです。羽田空港にも松山空港にも、クリスマスツリーが飾られています。
クリスマスと言えば、先週も少し触れましたが、山下達郎の「クリスマスイブ」は定番ですね。ただし、定番と言っても、基本的に50〜70代くらいの方にとって、です。70代?と思われるかもしれませんが、達郎は70代なので、ファンの方はいるかなと。「クリスマスエクスプレス」と言われたJR東海の新幹線CMではこの歌がBGMに使われました(1989年〜1992年)。深津絵里や牧瀬里穂が登場した名作です。私も時々YouTubeで見ます。が、必ずしもすべての世代に受け入れられる楽曲ではないようです。下記のようなnoteのブログを見つけました。
Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半(1996年〜2010年頃)に生まれた世代で、2025年の満年齢だと、15〜29歳くらいの世代です。物心ついたときからインターネットやスマートフォンがあり、デジタルネイティブと言われる世代です。情報収集や発信はSNSを利用し、PCやレガシーメディアはあまり使いません。ちなみに、Zの前を遡るとX世代は1960年代半ば〜1980年頃、その後のY世代はミレニアル世代とも言われ1980年頃〜1990年半ば頃に生まれた世代です。話はそれますが、X世代の前は、戦後のベビーブーマーから、しらけ世代、バブル世代とつながっていきます。
話を元に戻します。Z世代の人たちにとって、山下達郎のクリスマスイブは音が多くて「くどい」のだそうです。改めて聴いてみると、確かにオーケストラアレンジだし、コーラスも入ってるし、豪華なクリスマスという感じです。それが彼らには受け入れにくいのです。
noteのこのブログで書かれているのは、音の問題ではなく、情報の問題です。スマートフォンを身近に育ってきた彼らは、PCもあまり使いません。手の中で検索するので情報量も多くない。クリスマスイブ全盛の世代にとっての社会は、(アナログの)雑誌、CM、テレビ、広告、駅の派手な装飾などなど、情報過多の時代でした。それが、クリスマスイブが重たいと感じるZ世代の感覚で、彼らの感性によると、これからの時代は軽やかになるのではないかという内容です。
「いやいや、毎日新聞を読んで、テレビのニュースを見て、本は書店で買って、インターネットはPC開いて大量の情報を眺めないと世界なんて分からないんだよ」と思ったあなた。それはそれで良いと思います。しかし、バブル崩壊から失われた30年を経験し、テクノロジーの変化を目の前にし、時代が変わったという意識を少しでもお持ちなら、Z世代の意識がどのようなものか想像してみてはいかがでしょう。(私たちは)そんなに重たい情報抱えてどうするの?って。
もちろん、軽ければ良いというわけでもありません。このブログにも書かれていますが、軽い時代だから、重いものも受け入れられることがあります。軽いものと重いもの両方あることが大切だし、面白いです。
若いからとか、上の世代だからということでその人の価値観を決めるのもおかしいと思います。高齢者が、「軽いのも良いじゃん」って言える時代でありたいです。上の世代の人たちは、自分たちが若い頃に持っていたたくさんの情報に新しい時代の情報が加わるから、すごく重たくなっています。Z世代の人たちの情報は、スマホで見える範囲だから軽いのです。つまり、世界につながるパイプの太さがちょっと違うのかもしれません。
違う視点で考えます。世代で一括りにしてしまうのは良いことではありません。が、ある世代の人の多くが物心ついた頃に受けたであろう環境で価値観が共通化していくこと、その社会的な背景を考えることはおかしくない話です。学生時代に一緒に遊んだ友人たちと今でも話が弾むのは、世代共通の価値観があるからでしょう。時代を支える人たちが代わっていく、新しい時代の人にはその世代としての価値観がある。個人の個性もあるけれど、時代を背景にしたものもある。世代を考える時に大事なのはその背景にある社会の変化です。今、12月になり1年を振り返り、新しい年を迎えるに当たって、時の流れ、世代の流れを考えて見るのも良いことではないでしょうか。
それでもやっぱりクリスマスはタツローのクリスマスイブだよな、ですか?そこは各自自由に楽しみましょう。それぞれの価値観を認めながら世代を超えて生きていくこと、他のことを全面的に否定してしまうのではなくて、少しでも肯定する生き方が大切だなと思います。軽く生きることがあっても良いですね。
【今週考えたこと!】
臨時国会では補正予算が審議されていますが、並行して来年度の税制改正の議論も進んでいます。来年には確定申告もあり、これからは税の季節です。そんな時に、税務関連の新聞に中学生による「税についての作文」が掲載されていました。内閣総理大臣賞や国税庁長官賞などの中に、日本税理士会連合会会長賞があり、大洲市立長浜中学校の生徒さんの作文が入賞していました。内容は、彼が歯医者に行ったときに医療費がかからなかった、それを調べると税金が使われてるのがわかった。みんなの力を借りながら生活していることに感謝して、というものです。国税関係の団体が主催する事業ですから、税は大事だという結論になるのは当然です。それは良いとして、最近の傾向として「政治家や役所の無駄遣いを減らせ、物価高に疲弊している国民にもっと還元しよう」という主張ばかりが目立っています。しかし、国という体制を維持するためには、税金という制度は維持しなくてはいけないし、誰かが負担しなくてはいけない、さあどうするかという議論が見当たりません。そこを無視して還元することだけに焦点を当ててしまっているとすれば、それが政治やメディアとしての活動であるなら、無責任と言わざるを得ないと思います。他の国と比較すると、日本は多くの国民が真面目に税金を払っている国です。ここは受けが良い方、軽い方だけに決して流されてはいけないと思います。
季節の話題が盛り上がってしまったので、今週考えたことはこのあたりで。
【今週のAIネタ】
AI関連のメディアで、「AGI」という言葉を聞くことがあります。AGIとは何でしょうか。Artificial General Intelligenceの略で、日本語では「汎用人工知能」と言われます。今、一般的に利用されているChatGPTやGeminiは生成AIと言われ、高性能な技術ですが、特定の目的や領域に対応するように設計されており、アシスタントのような機能しか持っていません。これに対してAGIは、汎用型、つまり人間と同等以上の知能を持ち、人間が行うほぼすべての知的作業に対応が可能となります。自己認識も持つ可能性があるとされており、鉄腕アトムやドラえもんみたいなものかと思ってしまいますが、現在の研究では彼らのような感情や個性は意識されていないようで、ここは少し違うようです。将来が楽しみなのか、怖いものなのか分かりませんが、これからは技術が進歩する中身を議論していく時代になりつつあります。
※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。

