ボストーク松山藤原塾

別の角度で税金について考える

【季節の話題】

本日、松山の道後公園で桜の開花が発表されました。愛媛県内の公立小学校は今日が卒業式と言うこともあり、桜の季節となりました。この1週間で一気に春に進んだ感じがしますが、皆さんの周りでいかがでしょうか。

春と言えば来週4月からの道交法改正です。自転車についていろいろな改正が行われます。基本は16歳以上を対象に違反すると青切符が公布され、反則金が適用されることになります(あおり運転や酒気帯びは赤切符となります)。安全のため自転車の運転者が規制されるのは仕方ないとして、気になるのは自動車を運転する際に気をつけなければいけないことです。例えば、車が自転車を追い越す際には目安1.5mの安全な間隔を保つか、減速することが義務づけられます。地方では車がメインの交通手段ということもあり、通勤中や仕事での移動中で焦っていると、思わず該当してしまうケースは頻発すると思います。もちろん、法律改正には根拠があり、自転車に対する安全を考えれば、守らなければいけないルールであることは十分分かります。しかし、日本の道路事情で1.5mという幅を維持することがどれだけ難しいか。

気になるのは、このルールを制定にするに当たってどのような議論が行われたか、です。警察庁だけでなく、国土交通省や総務省(自治体の問題もあります)、経産省(産業面からの検討)等の幅広い議論があったのか、なかったのか。規制の中身ではなく、そのような議論の形成過程が気になります。

【今週考えたこと】

先週末で上昇したガソリン価格ですが、少し落ち着いてきたものの、GSによっていろいろな価格が表示され、混乱していることが分かります。価格が変動する理由はイラン戦争が終息に向かっているからではなく、政府からの補助金が再開されたためです。目の前の価格が下がったことで安心感は広がりますが、その実態は税金です。3月24日の閣議で今年度予算の予備費から8000億円程度が充てられることになりました。つまり、ガソリンを入れている人も払っているだろう税金の一部が巡り巡って自分のガソリン価格の引下につながっているわけです。

市場価格を操作する政策は例えば地震により被害が出たような場合の一時的な措置としては有効だと思いますが、あくまでも一時的な手段であることを理解しておくべきです。今回のイラン戦争の先行きは見通せません(明日にも終わるかもしれませんが)。今後の展開次第では、長引く可能性があります。また、石油関連施設が大きなダメージを受けると、ガソリン価格の問題にとどまらず、石油に関連するすべての製品が生産できないという事態が考えられます。ビニールなどの生活必需品、医療品、衣料、パソコンや肥料などなど。以前のオイルショックの時は価格だけの問題で、生産にはあまり影響がありませんでした。しかし、中東の石油関連の工場設備が破壊されると、モノがない!という事態も想定されます。そうなると、財政だけで支えることは困難と言うことも考えられます(あまり考えたくないですけど)。

この戦争についてもう一つの問題があります。米国は今回の戦争で1日あたり10〜20億ドル(約1600〜3200億円)のコストがかかっていると言われます。巨大な空母や戦闘機、ミサイル、そして動員された米国兵の給料も、すべて米国民の税金で賄われています。停戦後の米国経済がどうなるのかという点もひじょうに気になるところです。ちなみに2026年度の愛媛県の当初予算案は7827億円(前年度当初比3.8%増)ですから、米軍はイランで愛媛県の予算をほぼ3日で使い切っていることになります。いやはやすごいことです。

財政という立場では、税金などの歳入で足りない部分は国債を発行して補充することになります。昨年から日本でも金利が動き始め、国債をどうするかという問題が具体的になってきました。今までは金利ゼロであり、かつ発行された国債の多くは日銀が保有してきたので、あまり目立ちませんでした。しかし、金利が動き出し、日銀が保有比率を減らしていく中で誰が国債を持つのかという問題があります。基本は生保や銀行などの金融機関ですが、最近は外国人の保有率も高くなってきています。金利が上がってきていますから、個人が国債を持つメリットもあるかもしれません。過去30年ではあり得なかった感覚です。この場合、国債という金融商品の意味を理解して購入する必要があります。

確定申告に絡んで税金のお話をしてきましたが、税金の裏返しは財政であり、こちらはもっと大きく難しい制度です。知らなくてもな〜んとなく過ぎていきますが、このように生活の裏付けにもなっている仕組みですし、財政を支える税金は皆さんが負担しているわけですから、ある程度は知っておくべきだと思います。

【今週のAI】

海外では、AI導入により人員を削減するケースが出てきていますが、国内の企業は逆にAI導入のために人を増やすところの方が多いという記事です。あずさ監査法人に掲載されている情報を見ると、私が気になったのは下記の記載です。

「デジタル人材に求められるスキルのうち、不足しているもの」への回答は、今回も「ビジネスアーキテクト」が最多となった。これは「AI人材」を上回っており、ビジネスとデジタルテクノロジーを橋渡しする高度な人材の育成が、依然として難易度の高い課題であることを示唆している。

あずさ監査法人、「DX推進サーベイ2026」を発表

日本の企業はAI以前に、ビジネスにおいていまだにテクノロジーを使いこなせておらず、その段階での充実が必要であると言うことと理解しました。

世界のAI技術の基礎的な開発を行っているのは米国のOpenAI、Anthropic、Googleという米国企業です。日本企業もAIについて強い関心は持っていると思いますが、距離もあることで、自らのビジネスにどう取り組むかという視点を持つことができないようです。そもそもDXという言葉もついこの前注目されて取りかかったところなのに、今度はAIかい、という状況なのかもしれません。

Podcastを聞いていると、日本でも、それぞれの分野でAIを使ったらこんなになったというやり取りをしていることがあります。目の前の仕事で使ってみる それがとても大切なことです。大企業や公的機関ではセキュリティはじめとする問題への対応が目に見える形で解決しない限り組織として使用できないと言うところも少なからずあると思います。今後、日本の経済界、公共機関、一般社会でAIがどのように浸透していくのか、安全を維持するために誰がどのようにコントロールするのか、道交法の改正のようにならず、幅広い議論や検討が必要だと思われます。いろいろなことを知るって大切なことです。新しいものに巡りあえる春ですし。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。