ボストーク松山藤原塾

フラッシュメモリって知ってる?

季節の話題

GWが終わり、今週からしばらくの間祝日のない週が続きます。梅雨入りはもう少し先のようですが、昼間の気温はだんだん上がってきたようです。これからは暑さ対策です。

今週の愛媛

少し古くなりますが、4月28日、愛媛県から2025年(令和7年)10月1日を期日として実施された「令和7年国勢調査」について、速報値が発表されました。それによると、愛媛県の人口は126万88人で5年前に比べて7万4千人、5.6%の減少となりました。以前の八幡浜市の人口が5万人を超えていたので、それより少し大きな町がなくなったことになります。太平洋戦争開戦前の1940年の人口が117万人ですから、80年前の水準に戻りました。少子高齢化によるとみられる人口減少は、1990年から始まっており、今回の減少数は過去最高です。また、今回の調査では、世帯数が初めて減少に転じました。これが意味するところは、子どもが独立して夫婦だけとなった家庭で、夫婦のどちらかが亡くなって単身世帯が増えてきたのだと想像できるのですが、残された独り身の方も亡くなり、ついに世帯も減少してきたということでしょう。

先日の日曜日には、町内会の一斉清掃がありました。町内の人が出てきて道路や水路などの清掃をするのですが、外に出て掃除している皆さんを見ると高齢化を実感できます。国勢調査の推移そのままの朝でした。

この話題については何度か触れてきました。人口減少という傾向は変わりません。これからも当面変わらないと思います。私たちの目の前の生活も当面変わりません。少しずつ変わってきますが、大きな変化ではないのであまりに気にしないでしょう。また、少し不便になってもそれに慣れてしまうのが人間です。

しかし、こんな問題も引き起こしていて、何もしなくて良いのかと考えさせられる問題もあります。

「不明農地は25年3月末時点で49.7万ヘクタール、不在農地は56.6万ヘクタールになった。17年3月と比べそれぞれ4%、24%増えていた。合計で106万ヘクタールとなり、広さは岐阜県1個分、東京都5個弱に相当する。」人口の問題はこのような耕作放棄地の問題にもつながります。私も実体験中ですが、農地の売却は難しい問題が多くあります。買い手が少ないということもありますが、農地法がネックになって行政手続が進まないという面もあるのです。単に人口減少だけではなく、それによって国土や産業がどうなっていくのか。票にならないからと放置されると国土の荒廃はどんどん進んでいきます。今すぐ考えなければいけないことはたくさんにあるのです。

ここは政治の出番です。なぜか。相続した農地の問題はまず地元の市町村の農業委員会に相談に行きます。真面目な担当者は行政機関として法律に則って対応します。農地の場合は基本的に農地法がベースです。その農地法は太平洋戦争後に農地を地主から解放した農地改革の理念で作られています。つまり小規模な農家を守ることが優先されました。しかし、その後様々な原因で国内の農業は利益を生み出せなくなってしまい、農家の数は激減しました。農村地域の人口も大きく減少しています。その結果発生した耕作放棄や不在地主の問題を放置されることが国土のあり方として良いのか。それでも既存の農家システムを守り続けるのか。

ここは農地法を見直すかどうかだと思います。政治家はLawMakerとしての機能を持っています。法律を変えるのであれば政治家が動かなければなりません。日経まで取り上げ始め、おなじような経験を持つ方のコメントも載り始めてきました。人口がまた減ったね、ではなく、その結果生じている問題に対してそろそろ具体的に動く時です。農業についてもそのタイミングだと強く思います。

暗いだけではなく、嬉しい話題も。国内の女子プロゴルフのメジャー第1戦、ワールドレディースサロンパスカップで、松山市出身の河本結選手が優勝しました。私も過去の仕事を通じて少しだけご縁のある方です。若い人が気持ち良くプレーしているのはとてもさわやかで気持ち良いです。優勝おめでとうございました!

今週考えたこと

米国のベッセント財務長官が来日しました。その直前に財務省と日銀による為替介入があったこと、来日の報道が直前だったことから何が目的なのか気になります。少なくとも、中国に向かう途中にちょっとご挨拶ではないでしょう。米国が気にしているのは、米国内の金利上昇だと言われています。米国内の債務は、現政権誕生後も増え続けています。ここでの金利上昇はなんとか避けたいところです。日本では、円安が進行している中で、日銀が政策金利の引き上げを見送りましたが、引き上げのタイミングが遅れると更なる円安とインフレを引き起こし、それに釣られて米国の金利も上昇する可能性があります。そこで、米国としては、日本における物価上昇の沈静化、つまり日銀の政策金利の引き上げを求めると言われています。仮に政策金利を引き上げると、円安に対してブレーキにはなりますが、高市政権が目指す責任ある積極財政は国債の増加につながり、今度は日本側にその金利負担が重たくのしかかってくることになります。

今週のAI

キオクシアという会社が注目されています。来年27年3月期の決算では、米テック大手によるデータセンターの巨額の投資が見込まれ、好調が続くと予想されています。通期の営業利益は4兆円と前期に比べて5倍超となり、トヨタ自動車の3兆円も超えてしまう可能性もあります。

トヨタを超えてしまう勢いのキオクシアという会社、どんな会社なんでしょうか?元を正せば、東芝、です。それなら納得!ですよね。東芝は1987年に世界初のNAND型フラッシュメモリを発明した会社です。しかし2017年、東芝は原子力事業の損失で経営危機に陥り、稼ぎ頭のメモリ部門を売却せざるを得なくなりました。その年、「東芝メモリ」として分社化され、2018年には米ベインキャピタルを中心とする日米韓連合コンソーシアムに約2兆円で売却されています。2019年10月になり、社名を「キオクシア」に変更しました。「キオクシア」という名前は、日本語の「キオク(記憶)」と、ギリシャ語で「価値」を意味する「アクシア(Axia)」を組み合わせた造語です。記憶技術で世界に価値を届けるという想いが込められました。

なぜ記憶なんでしょう?これは、キオクシアが開発しているフラッシュメモリという技術によるものです。AIのメインとなる技術には、考える部分と考えたことを記憶する部分があります。人間の頭脳ももおなじような仕組みと考えられます。人間もAIも、何かを思いつき考えること、それを記憶して次に活かすこと、これを繰り返していきます。考える部分は、NVIDIAのGPUというチップの仕事です。それを受け止めて記憶する部分が、フラッシュメモリの仕事なのです。AIの技術の中ではひじょうに重要な部分です。日本の会社は粘り強く、品質を維持しながら仕事をしていくというイメージがありますが、まさにそのような会社です。革ジャンを着たCEOが派手に表に出なくても着実に成果を出していると言えます。スタートアップで一気に世界を駆け上がる米国の会社とは違いますね。これが日本企業の一つの方向性なのかもしれません。東芝が原発で危機に陥らなければ、官僚的な会社のままでこの技術を活かせたかどうか。東芝から切り離されることで生き返ったとも言えるでしょう。

最後に、なぜ今、キオクシアが注目されたのか。その理由の一つに、AI技術が広く普及し、データセンターの建設が増え、半導体の需要が爆発的に伸びたことが挙げられます。AI技術の進化はこの2年くらいですから、あっという間です。しかし、Anthropic「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」に代表されるように、AIも転換点に来ています。今のまま需要が継続するかどうかは不透明です。間接的には、イラン戦争による混乱が世界経済に大きな打撃を与える=その結果設備投資が一気に冷え込む可能性もあります。この先はちょっと注意が必要かもしれません。

このメールも99本目となりました。次回は記念すべき100号です!


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。