皆さん こんにちは
【季節の話題】
今年も残すところ1日と少しになりました。週休2日に振替休日が増えてきて、連休に慣れてきてしまい、正月休暇もその中の一つに埋没しつつあります。年賀状のやり取りが激減したように、玄関に飾るしめ縄飾りも減ってきたように感じます。しかし、どこか正月は違うよな、という意識もありますね。ちょっと気を引き締め直すタイミングかもしれません。
【今週考えたこと!】
年末になると交わす挨拶があります。「今年もお世話になりました」「来年もよろしくお願いします」などなど。その中に、「お仕事はいつまでですか?」というのがあります。皆さんの仕事納めはいつだったでしょうか。?
私の場合、以前は年賀状の作成〜投函が31日の24時近くだったこともあり、大晦日は大変でした。今はそれもなくなりましたが、やはり打合せや仕事納め式の出席などで、ギリギリまで仕事しています。昨年は藤原塾メールも12月31日の発信でした。
働き方について、年末にこんな記事がありました。
記事によると、「総務省の労働力調査によると、すでに働いている就業者の数と失業者数を合わせた労働力人口(原数値)は11月に7033万人だった。7カ月連続で7000万人を超えた。1〜11月までの平均は7004万人だ。1年前の1〜11月平均に比べ40万人超増加した。」そうです。少子高齢化で、日本の人口は減少傾向にありますが、働く人は、女性と老人、そして外国人を中心に増えているようです。働く人は増えていますが、働く時間は減少しているとも書かれていて、自分たちの生活に合わせて柔軟に仕事を探していると思われます。
安倍内閣が2016年から取り組んだ「働き方改革」があります。具体的には、働き方改革関連法により、①時間外労働(残業)の上限規制、②年次有給休暇の取得義務化、③同一労働同一賃金(正規雇用労働者と非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止)等が定められました。これにより、労働者の働く環境は大きく改善されました。が、これは雇用する側、会社や役所がどうするかという問題であり、人がどのように働くか?という根本的な問題に切り込んだものではありません。働くこと=仕事=workを「雇用契約に基づく労働」と捉えれば、これで良いのかもしれませんが、workとは、自営も仕事であり、取締役や監査役は委任契約に基づく仕事であり、副業みたいなものもあり、この改革では意識されていません。その理由は、働き方改革を所掌するのが厚生労働省だっただからと考えられます。「働くこととはどこかに勤めること」という意識が日本では強く、何となく国民も納得してるのかもしれません。厚生労働省の仕事は労働者の安全、衛生を守ることであり、その意味では方向性は正しいです。しかし、人として働くことの意味、人が元気に働いて日本が元気になることを考えるためには、もっと広く考えるべきだったでしょう。
働くことはその人の生き方につながることです。その人がどう生きるか?と考えたときに、例えば、社会や特定の知識を得るために会社勤めを経験した後、起業するということもあるでしょうし、学校を退学し世界を放浪しながら自分の仕事を見つけることもあるでしょう。ちょっとした人の出会いで、仕事を変わることもあるでしょう。成功することもあるし、失敗することもある。辛いときもあるし、楽しいときもある。それがその人の人生、仕事、生き方、働き方なのではないでしょうか。雇用契約に基づく労働者の権利は当然守られるべきであり、過重な負担は避けるべきです。しかし、それはその人の生き方とは関係ないものです。女性であっても、高齢者であっても自分の考えに基づいて仕事をすることは特別なことではなく、普通のことと認められるべきです。法律だけで考えることは難しいかもしれませんが、今の働き方をもうちょっと視野を広げて考えたいです。
いつもより静かな時間が持てるお正月だから、もっと自分の人生、生きていくこと、働くことについて考えてみるのも良いことではないでしょうか。
【今週のAIネタ】
AIについては年末ギリギリまでいろんなニュースがありました。
ウォルト・ディズニーがOpenAIと資本提携し、動画AIの中で、ディズニーのキャラクターを自由に使えるようにすると発表されました。AIについては、動画や画像生成も広く使われるようになっていますが、例えばジブリ風に作ってというように特定のコンテンツと結びつけることは、コンテンツの著作権を持つ側から厳しく見られてきました。しかし、今回の提携の結果、例えばディズニーのキャラクターと一緒に踊る動画を生成することが可能になったのです。
ここで考えたことが2つあります。
1つ目。
米国企業のスパッとした割り切り、方向転換です。これが米国の強さであり弱さでもあります。強さとは、GAFAMに代表されるテック系企業を生み出し、AIに突き進んでいますが、製造業をはじめとする従来型の企業は放置されたのはこのような経営者の発想があるのだと思います。海外の企業が安値攻勢で米国企業を放逐したという面も否定できませんが、米国自身が新しい産業に飛びつき、古い産業を守ら意識が薄かったと言えるのではないでしょうか。従来型産業を守ろうと努力してきた日本との違いはここにあるのではないでしょうか。ただし、日本には新しいものへの取り組みが遅れるという課題もあるわけですが。
2つ目。
AIという技術についてです。PCやスマートフォン、インターネットは道具の革命だったが、AIはコンテンツの革命だということです。PCなどで仕事の効率性は大きく改善されました。しかし、ホワイトカラーの存在価値にはあまり変化はありませんでした。AIはその価値に大きく影響を与えています。PCでExcelを使うとき、最初の発想をするのは人間でした。あるイベントの集計をしたい、という発想です。しかし、AIはその最初の発想に絡んできます。新しいAIについてレポートを書きたいといえば、こんなことを書けばよいのではという回答が返ってきます。もちろんレポートそのものも作ってくれます。しかし、結果、レポートを最後にまとめるのは人間自身です。AIには責任を取る機能はありません。責任を取るのは人間です。そこを理解してAIを使う必要があります。
人の生き方が働くことであれば、AIの機能を理解して、どのように使うかというセンスが求められる時代になっています。今年の藤原塾の記事はこれが最後となります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
※このレターでは一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。


