ボストーク松山藤原塾

サンマ焼けたか?

皆さん こんにちは

昨日、松山市郊外のお客さんを訪問しました。途中運転しながら、郊外の山がすごく近くに感じました。それだけ空気が乾燥してきているのだと思います。見える空気は秋なのに、肌で感じる空気はまだまだ夏です。

8月20日付日経新聞電子版に、「消滅の危機?『猛暑日ゼロ』のまち、気象庁データで調べてみたい」という記事がありました。全国900ある観測所の内、猛暑日を記録したことがないところは全国に127地点あるそうです。さすがに北海道は69地点あり、襟裳岬での史上最高気温は28.5度だそうです。沖縄でも3地点あり、残念ながら北陸には35度を超えない地域はありませんでした。なお、四国も1地点だけあり、愛媛県伊方町の史上最高気温がギリギリ34.4度でした。こんな記事に注目してしまうというのも、この暑さでは仕方ありませんね。

今日の愛媛新聞第1面(中予版)は、愛媛版日経新聞の感じでした。まず、県内最賃(最低賃金)77円増の1,033円、続いて、食費割合37都市(47都市分析)で最高 松山市5位28.9%、今週はこの2つの問題を考えます。

最低賃金について
今回の愛媛県の引上げ幅は過去最高となります。昨年の徳島県は、84円と全国最大の引き上げ幅で注目を浴びましたが、今回の愛媛県もしっかりと上げてきた感じです。引上げ幅の上昇は、経営者側に相当な危機感が見られたようです。経営者としての対応は、先週のメールで書きましたが、生産性向上を目指すことで利益を確保することが一つの方向性だと思えます。しかし、効率化を目指すということは、雇用される側にとってはその環境が厳しくなる面もあります。生産性・効率性を常に意識する、結果を出す、場合によって今までの職場がAIに取って代わられるということも考えられます。最低賃金の議論は、金額のことだけにとどまっており、その前後のことについては書かれていません。もし、職場で求められるものが効率性ということになれば、日本の職場でよくある過ごしやすさや家族的雰囲気という意味も変わっていくかもしれません。賃上げは雇用される側にとって必ずしもバラ色のものではありません。

次に食費割合の問題
愛媛新聞の記事によると、このデータは総務省の家計調査ともとに、5年間のエンゲル係数を計算したとされています(大雑把な整理です)。エンゲル係数とは、家計の支出に占める食費の割合です。これが高いということは、物価の中でも食料品の価格上昇は大きいということでしょう。実際、米の価格は2倍近くにも上がっています。また、秋といえばサンマ。サンマも、ここ数年は不漁で、魚売り場で見かけることもほとんどありませんでした。見かけてもホントに小さなサンマでしたが、今年は少し大きめのものが少し安く出ているようです。しかし、以前の価格からすると、やはり2倍近くになっているように感じます。最低賃金が上がるといっても、簡単に2倍にはならないので、食費の負担は重くなっていることは想像できます。仮にインフレが激しくなって賃金が2倍になったとしても食費もつられて上がってきます。先日の参院選でも投票する人の中でこのあたりが強く意識されたものと思われます。食料品に対する消費税をゼロにするという意見は、庶民の感覚にはマッチする部分もあるかもしれません。ただ、賃金を上げても、消費税を下げても、おそらく食費割合の問題について、国民が満足できる結果にはならないと想像します。問題解決のためには、食料品の値上がりとなっている根本的な理由を考えることが必要です。輸入食料品については円安、国内外の食料品値上がりの共通の問題としては地球温暖化による天候不順ということが考えられます。国内の食料品特有の問題としては、従来型の農業の非効率性ということが挙げられます。それを支える行政の問題もあります。以上のようなことを総合的に考えて食料品自給や価格対策を考えるべきだと思います。

今週は、AIについて書きたかったのですが、話題が多すぎるのと、サンマの季節につられて食料品を取り上げました。齋藤哲夫の「サンマ焼けたか」という歌があります。1975年9月にCBSソニーか発売されました。高校生だった私がなぜか好きだったこの歌のことを思い出しました。今夜はサンマかな?