12月。今年最後の月になりました。毎年思うのですが、12月は、23日に祝日が入るのと、28日で御用納めとなり、後半4日分の日数が少なく、しかも普通の月よりも締めに係る作業が増えることがあり、師でなくても気ぜわしい月です。できることはさっさと終わらせて、紅白がゆっくり見られるようにしたいものです。
さて、この1ヶ月間で最大の話題は、何と言っても米大統領選挙でしょうか。英国のEU離脱をめぐる国民投票に続いて、マスコミの事前調査と異なる結果となり、実業家で政治経験のないドナルド・トランプ氏が次期大統領となりました。日本の選挙では、ホントに面白くないくらい世論調査の結果通りになる選挙ですが、情報(インテリジェンス)の現実についても、調べておく必要がありそうです。
で、そのトランプ次期政権がどのようになるのか、連日、世界中のマスコミを賑わせています。その報道について、今までの米政権と違うのは、新聞やテレビ等でのインタビューにトランプ氏が出てこず、Twitterの発言から世界に広まるということです。日本の首相官邸もFacebookをやっていますが、そちらはPRの要素が強く、政権としての方針表明は既存のマスコミを利用するのでちょっと違います。来年1月からは、正式な政権となるわけですが、引き続きSNSを利用するのでしょうか、興味があるところです。
ところで、そのトランプ氏の勝因は白人票をしっかりつかんだ(クリントン氏は女性にも白人以外の人種の人たちにも嫌われた)と一言では言えそうです。何となくですが、米国に行くと、白人が私たちを見る目が差別的なものであることに気がつくことがあります。白人しかいないレストランに入った時の視線です。同じ白人国家でも、英国以外の欧州やニュージーランドなどでは、そこまで露骨な視線を感じることはあまりありません。米国は、世界中から移民が押し寄せてきました。その結果、IT産業を初めとする分野で、めざましい発展をしたのでしょうが、その分、既存の産業における白人の疎外感のようなモノは強くなり、マグマのようになってきたのでしょう。ちょっと違う視点で、しかし同じような不満を抱いていた層の共感を得たのが民主党のサンダース候補であり、クリントン氏は、負けるべくして負けたのだと言えると思います。
この変化は、その後のオーストリアやイタリアの選挙でも見られるところであり、今まで以上に、世の中の変化に注目すべきです。選挙直後に飛んでいった日本の首相にも、その変化が感覚として理解されていると良いのですが。いずれにしても、選挙中のトランプ氏の発言が具体的な政策に結びつくのかについても注目です。