2023年もはや1月が経過し、2月となりました。2月の和風月名は「如月(きさらぎ)」です。中国でも2月のことを如月と書きますが、「にょげつ」と呼ぶそうなので、意味合いは少し違うようです。ちなみに、きさらぎの意味とは、「衣更着(きさらぎ)」とする説が有力で、寒さで着物を重ねて着るという意味だそうです。なお、他の説としては、気候が陽気になる=気更来、草木が生え始める生更木、草木の芽が張り出す=草木張り月という説もあります。今年の冬は、例年になく気温が低い日が続いたこともあり、如月という言葉を噛みしめる月となりそうです。
さて、岸田政権になって「スタートアップ」という言葉を見かけることが多くなりました。現在、国会で議論されている税制改正法案の中にも、このスタートアップに関連する改正があります。
このスタートアップとはどのような意味なのでしょうか。これは、革新的なアイデアで一気に短い期間で成長するビジネスのことを言います。GAFAMと言われる米国の企業が典型的なケースです。例えば、その一つ、Amazonは、インターネットを使った本の販売からスタートし、日本でも生活に欠かせない存在になってしまいました。新しいビジネスという点では、ベンチャーという言葉もあります。こちらは既存のビジネスをベースにしているのに対して、スタートアップは今までにない未知の世界を切り拓くという「破壊的イノベーション」という意味があり、より革新的なものと言えます。
米国では、GAFAMが大きくなりすぎた結果、国として逆に規制を考えなければならないところまで行っているわけですが、日本ではもっと火を付けなければいけない状態です。この違いは何か、乱暴な言い方をすれば国民性という言葉に行き着くと思います。スタートアップが成功するためには、そのビジネスが革新的であること、スピード感があること、チームとしての一体感があること等々が問われます。しかし、日本の企業で求められるのは調和であり、官僚的な組織の価値観です。もともと、民間企業よりも公的セクターが上に位置づけられ、出る杭は打たれる社会です。革新性は尊敬されるのではなく、警戒されます。
岸田政権のスタートアップ育成策は、国がいろいろな枠組みを作って支援しようとするものです。その危機感は意味がありますが、スタートアップを育てるのに最も必要なのは、新しいものに対する国民の意識。「新しいビジネス?大丈夫かな?」ではなく、「へー、そんなことができるんだ、面白い!」という好奇心満々の国民性です。