皆さん こんにちは
お盆の週となりました。今年は絶妙にお休みが入って長く休める方も多いのではないかと思います。ついこの前まで晴天続きで猛暑が続いたかと思えば、一転豪雨に見舞われている地域があります。水不足が深刻になりつつあった松山市内には恵みの雨ですが、九州地方を中心に被害も出ています。雨の背景には、梅雨のような前線が日本列島にかかっていることがあるようです。慢性的な梅雨の状態が続いているとも言えるわけで、引き続き不安定な気象模様です。
この異常気象(もはや異常ではないかも)に刺激されたかのように、8月12日の日経平均株価は最高値を更新しました。政治情勢が不安定な中、なぜ株が上がるのか疑問を持つ方も多いと思います。日経新聞などの情報によれば、自社株買いと外国人投資家が米国を離れてドイツ、香港、東京の株を買っているという側面もあるようです。いろいろな思いで変動するのがマーケットですから、明日の動向を含めよく見ておく必要があります。
さて、民法95条に錯誤という規定があります。条文は下記のように書かれています。意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
これは、意思表示に関する規定です。契約は当事者の意思が合致して成立しますが、その当事者間の合意に勘違いがあれば、契約の有効性が問題となり、契約の重要性に応じて取り消すこともできるという取り扱いです。ここに違和感を持つ人はあまりいないでしょう。味噌ラーメンを頼んだのに、豚骨ラーメンが出て来たら、「ん?」と思いますよね。重要でないと考える人=「豚骨で良いよ」という場合もありますが、重要である=「いややっぱり味噌が食べたい」から交換していうことになるでしょう。
これがラーメンではなく、関税を巡る外交交渉だったらどうなるのか。もともとの関税問題は、米国が一方的に課税すると言い出して、その条件に関する決定権は米国にあるだけですが、日本を含む相手国がいろいろな条件を提示し、それに応じて米国が関税率を修正し、決めていったわけです。その後合意したと言われましたが、今になってその関税率の条件がどうなのかがハッキリしません。何となくこんな感じで行こうかと決まったような感じです。と考えていくと、意思の合致がないのだから、錯誤も考えられないということになります。またラーメンの話に戻りますが、米国が豚骨ラーメンと決めてきたのであれば、私たちは豚骨ラーメンを食べなければいけないということです。外交もすごい時代になりました。これが今の世界の外交です。
お盆は、日本にとっての敗戦(終戦)の週でもあります。今年は昭和20年8月15日から80年目になると言うことで、新聞やテレビなどでも戦争をテーマにした番組がいつもより多いような気がします。その新聞を読みながらふと思ったのは、この太平洋戦争とSNSと振り込め詐欺の根っこにあるものは同じではないかということです。それは、思想(組織)の硬直化、反論を許さない一方的な思い込みです。SNSでは、事実確認をしないまま自分の勝手な思いで相手を傷つけてしまいますし、振り込め詐欺も自分はだまされていないという確信を持ってATMの前に行ってしまいます。自分の行動は正しいのだろうか?という疑問を抱くことがなく(抱いたとしても押し殺してしまい)行動に走ってしまう結果、悲惨なことになってしまう。多くの命が関わった戦争とSNSを一緒にするなと言われるかもしれませんが、SNSはもはや軽い存在ではありません。私は絶対根拠のない誹謗中傷はしない!、詐欺なんかに引っかからない!という思い込みがすでに突っ走ってしまうことになります。多方面の意見をよく観察して、素直に疑問を持つこと、自分の頭で調べて考えることの大切さを、この時期にもう一度見直したいものです。
まだまだ暑い日が続きます。暑い日でも、やっぱり味噌ラーメン、コーンにバター、煮卵にチャーシュー乗っけて、冷えたビール片手に食べたいな〜。