9月です。今年は、外から聞こえてくる音がなぜか気になるのですが、うるさかった蝉の音が、ツクツクボウシに変わり、今は、草むらからの虫の音に変わっています。これに合わせて、日本列島には秋雨前線が停滞し、まだ8月なのに、やや気温が低い日が続くようになってきました。季節の変わり目は、体調を崩しやすい時です。まだまだ昼間は暑いようですが、少し身体を温めることを心がける時期になってきたようです。
さて、8月に引き続き、マイナンバー(番号制度)のお話しです。
マイナンバーの法的な裏付けとなる番号法(正式には、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」と言います)は、今年10月5日に施行されます。その裏付けのもと、様々な事務が始まります。
具体的には、番号を記載した通知カードが、市町村から、原則として、住民票のある住所地に簡易書留で送付されます(送付作業は11月まで続くと言われています)。この番号の内、個人に交付されるものが「個人番号」と言われるものですが、これは、平成28年度以降の源泉徴収や支払調書等の事務に使われます。問題は、その番号の取扱です。
この個人番号は、個人から、源泉事務等を行う会社、そしてその事務を委託する税理士事務所等に提供されることになりますが、取り扱う場合は、厳格な管理が求められます。
具体的には、そのような事務を行う事業者(会社や税理士事務所)として、特定個人情報(住所・氏名等の個人情報に、マイナンバーが加わったもの)の管理に関する規約を制定する必要があります。その上で、組織的・物理的・技術的・人的という4要素での安全管理措置が取られる必要があります。その内容は、一言で言えば、特定個人情報が守られるだけの事業者としての仕組み作りです。責任者・担当者を決める、セキュリティを重視した事務所のレイアウトやシステム作り、関係者の教育等々です。この他、会社が税理士事務所に、個人番号を取り扱う事務を委託する場合は、情報が守られるように覚書等を締結しておく必要があります。
そのような体制を整えた上で、個人番号を取り扱う事務を開始します。言い換えると、今年10月5日以降に、日本中に番号が提供され、平成28年分の実務として使用されるまでには、上記の作業を終えておく必要がある。終えていなければ、個人番号を取り扱うことは認められない(番号法違反となる)ということです。
これから年末(場合によっては年明け以降)、私どもの事務所から、各種規定・契約(覚書)の締結等々をお願いすることになりますが、上記内容をご理解の上、ご協力いただきますようによろしくお願いいたします。また、マイナンバーについて、不明な点がございましたら、何でもご連絡ください。