そもそも、1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、上司と部下がマンツーマンで定期的に話し合う面談のことです。部下の成長を促す目的で、実務の進捗や課題、キャリアプランなどを共有し、双方が成長できる関係性を築くためのコミュニケーションです。
最近では、若手社員を辞めさせないための取り組みのひとつとしても注目されています。
そもそも、1on1ミーティングの目的
- 部下の成長を促す
業務での課題を共有し、上司からのアドバイスやフィードバックを通して部下のスキルアップや知識の向上を促します。 - モチベーションの向上
仕事への熱意や意欲を高めるために、部下のキャリアプランや目標達成へのサポートを行います。 - 信頼関係の構築
1対1で話すことで、上司と部下の信頼関係を深め、組織内の心理的安全性を高めます。 - 早期の問題発見
業務での悩みや不満を早期に把握し、解決策を検討することで、離職防止や業務効率の向上につなげます。
「なぜ?」は最も良くない質問
「『なぜ』と聞かない質問術」(中田豊一著)によると、「なぜ」は、「相手の『思い込み』を引き出してしまう」とあります。
著者は40年以上にわたり、20カ国以上の開発途上国支援に携わりながら、真の問題解決に至らないジレンマを抱えている中で、「なぜ」という質問に原因があることに気づきました。「事実」を正確に確認するには、「事実質問」をするというシンプルな手法に気づいたのです。問題解決のために必要なのは「事実」に基づく対話なのです。
「なぜ?」は、致命的な「話のずれ」を生む
「なぜ?」は事実ではなく、相手の「思い込み」を引き出してしまい、それがコミュニケーションのずれにつながるといいます。たとえば「なぜ、そんなミスをするの?」と、「何をミスしたの?」「いつミスをしたの?」では、当然それに対する回答は違ってきます。
「なぜ、ミスをしたの?」→ 「忙しかったから」
「何をミスしたの?」 → 「見積書の提出期限を間違えていました」
「いつミスをしたの?」 → 「先週の金曜日です」
「なぜ?」の質問には、「次は、よく確認して気をつけます」「この仕事は向いていないのかもしれません」といった、感情の話になることも考えられます。しかし、「何を?」「いつ?」という質問は「事実」を引き出し、「その前は?」「その前は?」と、事実のみに基ついて話を進めることができます。
「なぜ?」は言い訳を強要する「詰問型のなぜ質問」
「どうして会議に遅れたの?」と、聞かれると、きっと言い訳したくなります。「なぜ」「どうして」と聞かれると、問い詰められているようで、つい言い訳してしまうのです。これを「詰問型のなぜ質問」と呼びます。形としては質問ですが、実際は力関係の差を利用したプレッシャーを相手にかけていることになります、
ビジネス系の質問術で「なぜ?」と尋ね、その答えに対して「なぜ?」を5回繰り返して聞くという教えもありますが、相手との構築関係が難しくなるという意味でも、対話手法としてはオススメしません。特に問題分析の手法としては全く見当外れです。
「なぜ?」が引き出すのは、「その人が理由だと思い込んでいること」「理由に見せかけた自己防衛するための言い訳」なのです。