机の引き出しを閉める音、パソコンのキーボードをたたく音、ノック式ボールペンをカチカチと鳴らす音、スリッパのような履物でオフィス内をパタパタと歩き回る音……。
さらに、鼻をすする音(花粉症の季節には仕方がないこともあるのですが)。鼻をすすったあとに「うっ」とか「ファッ」とか漏れる声まで。オフィスには、これらの音が気になって仕事に集中できない!という人もいます。
これらは「音」による嫌がらせなので、「音ハラスメント」「音ハラ」と、言われています。嫌がらせといっても、ご本人(加害者)は、いずれも無意識にやっていることなので注意するのも難しいという現実があります。
本人に直接言えないので、上司や先輩に相談しても、たいていは「あの人に悪気はないのだから我慢するように」とか、「あなたが気にしすぎでは?」などの言葉で、片付けられることも少なくとか。
こんな時の対処として、「提案型相談」と「観察」があるそうです。
「提案型相談」とは、「気になって集中できないので、○○の時はイヤホンをつけていいですか?」「○○の時は、席を外していいですか」などと、提案を示しながらの相談です。
「観察」は、気になる音がどんな時に発生するのかを観察するというものです。たとえば、月曜日の午前中とか、重要な会議のあとに自席に戻った時とか、昼食前のお腹が空いている時など。習慣化されているものなら、そのタイミングで席を外すなり、お茶を飲むなどのブレイクをするなど、対処法が考えられるということです。
「この音あるある!」と、思わず笑ってしまうこともある「音ハラ」ですが、笑って済ませられない人もいます。職場の方針としては、「誰もが気持ちよく仕事ができ、生産性を高めること」を公言し、全員がそれを理解し勤める必要があります。
「○○ハラスメント」は目下、増幅爆進中!時代感覚と思いやりをもって、お互い気持ちよく過ごしたいものですね。