●表題の「すごい変な文章を見抜いて国語力を上げる本」(監修 毎日新聞校閲記者 岩佐義樹)は、『小学生からチャレンジできる』と、ありますが大人でも思わず「?」。そもそも間違いに気づかない、または、どこか変だなと思っても、何が変なのかよくわからない(説明できない)ものもあります。
●日本語は問題ないと思っていても、その知識は曖昧なものかもしれません。大人になると国語テストはなくても、日常会話やSNSの書き込みなどで、実は私たちは無様なことをやらかしているのかも。(「すごい変な文章を見抜いて国語力を上げる本」JTBパブリッシング)
- 受験に役立つ
- 家族で楽しめる
- 社会に詳しくなる
- 読解力を養える
- 文章の達人になれる
- 頭の体操になる
まずは準備運動から・・・いずれも誤りは1つ
- ぼくはアニメが好きで、特に「サザえさん」が気に入っている。
- 親などの同意がないと、未青年はスマートフォンの契約ができません。
- 彼女があんな男と付き合うとは。他で食う虫も好き好きだ。
<解答>
- ぼくはアニメが好きで、特に「サザエさん」が気に入っている。
「エ」がカタカナ。「サザエさん」が正しい。ちなみにドラえもんは「え」がひらがな。 - 親などの同意がないと、未青年はスマートフォンの契約ができません。
「未成年」が正解。まだ成年でないという意味。 - 彼女があんな男と付き合うとは。他で食う虫も好き好きだ。
「たで(蓼)食う虫も好き好き」が正解。「たで」は植物の名前。食べると苦いことからそんなものでも食べる虫がいるように、好みはさまざまという意味です。
練習編 初級・・・誤りは3つ
- 過ちを繰り返してはならない。先生たちは異句同音にそう言った。私は先生たちの言葉を肝に命じて、その後の学校生活を過ごした。おかげで平温な日々だった。
- 姉はカピパラが好きで、部屋中にぬいぐるみを置いている。ベットにもぬいぐるみが置いてある。先日、貯金を切り崩して、世界でたった一つという貴重なぬいぐるみを手に入れた。
<解答>
- 過ちを繰り返してはならない。先生たちは異句同音にそう言った。私は先生たちの言葉を肝に命じて、その後の学校生活を過ごした。おかげで平温な日々だった。
「異口同音」が正解、多くの人が口を揃えて同じようなことを言うという意味。「肝に銘じて」が正解。「銘」は書き留める、刻みつけるといった意味があります。「肝に銘じる」は深く心に刻みつけるという意味。静かで穏やかなさまが「平穏」。「平温」は平均的な気温や体温を意味します。 - 姉はカピパラが好きで、部屋中にぬいぐるみを置いている。ベットにもぬいぐるみが置いてある。先日、貯金を切り崩して、世界でたった一つという貴重なぬいぐるみを手に入れた。
正しくは「カピバラ」(英名でCapibara)。「ベッド」が正解。・貯金は「取り崩す」が適切。「切り崩す」は切ったり削ったりして元の形を失わせることで、「取り崩す」とは、ためたものを取ってなくすことです。
「まさか?」の間違い
「ようこそTokyo」「Love Tokyo」「Tokyoで会おう」「あなたの街Tokyo」「Toykoでもう一度」「Tokyo大好き」「Tokyoの魅力は?」
一箇所だけTokyoがToykoになっていることに気づきましたか?人の目は面白いもので、同じような文言が続くと誤りを見逃しがちです。
では次の文章はどうでしょうか。「トイレについてアンケートをとると次のような声が多く寄せられた。『トイレが汚い』『トイレに入りにくい』『トイレがくさい』『トイレをきれいにしたい』。トレイについて、私たちは、もっと考えなければならない」。
気づきましたか?最後のトイレが「トレイ」になっています。文章を確認するときは、このような「まさか?」の間違いがあるものと心にとめておいてください。
「すごい変な文章を見抜いて国語力を上げる本」
「すごい」は形容詞で、後ろに形容詞や形容動詞が続く場合は「すごく」となります。近年、話し言葉では許されていますが、書き言葉では「すごく」が適切。