皆さん こんにちは
毎週火曜日に発信している藤原塾メール。
今年は12月31日が当たってしまいました。
頑張って大晦日に発信します。
こうなると今年の振り返りというテーマしか考えられません。
このメールを書き上げる前に、松山市の銀天街商店街を少し歩いてきました。
夕方になると人通りもだいぶ少なくなってきました。
2024年もあと少しです。
では、振り返りです。
私が勝手に振り返って思うことを書きます。
今年一番印象に残ったのは、何と言ってもAI=人工知能です。
分からないことがあるとネットで調べますが、昨年までGoogle Chromeを利用することが基本でした。
「ググる」というやつです。
それが今年になると、ChatGPTに相談することが増えました。
調べ物や翻訳だけでなく、文章のチェックやどう思う?とたずねることもあります。
発表資料などの画像も依頼するようになったりしています。
会議の議事録も、藤原塾の講演録も、AIで作成されることが当たり前になりました。
今年は、日常生活で普通に使うようになった年だったと思います。
これからは、この技術をさらに拡げてどのように使うかを考える時です。
しかし、日本は先進諸国の中でもAIの導入が遅れています。
MicrosoftとLinkedInが2024年5月に公開したデータによると、職場でのAI利用率は世界全体が75%であるのに対して、日本は32%にとどまっていました。
なぜ日本での取り組みが遅れているのか、ChatGPTに聞いてみるとこんな反応がありました。
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- 仕事の喪失に対する懸念
日本は労働文化が深く根付いており、「AIが仕事を奪うのではないか」という懸念が特に強いです。特に中小企業や地方では、従業員が家族的な関係性を築いていることもあり、AIの導入で雇用が失われることへの抵抗が大きいとされています。
- 個人情報保護への過敏な意識
日本ではプライバシー保護や個人情報の取り扱いに対する意識が非常に高いです。AIがデータを収集・解析することに対して「自分のデータがどのように利用されるのか分からない」という不安感が根強く、導入に慎重になっています。
- 責任の所在に対する不安
AIが間違った判断をした場合、誰が責任を取るのかが不明確という点が不信感の原因となっています。特に日本では、「責任の所在」を明確にする文化が強いため、こうした懸念が導入の妨げになりがちです。
- 新技術への抵抗感
日本は慎重な意思決定の文化があり、新しい技術や仕組みを取り入れる際、他国よりも時間をかける傾向があります。「AIは本当に安全か」「本当に必要か」を徹底的に検証するため、普及が遅れる一因となっています。
- 教育とリテラシーの不足
AIの基本的な仕組みや可能性について、一般市民や企業経営者に十分な教育が行き渡っていないことも要因です。知識が不足していることで、誤解や過剰な期待、不安が生じることがあります。
- 過去の失敗体験
過去にITプロジェクトやデジタル化に失敗した経験がある企業や行政が多いことも、AI導入に慎重になる理由の一つです。「うまくいかないのでは」という懐疑心が根強いです。
- 文化的な要因
日本では、伝統や人間同士のつながりを大切にする価値観が強く、「人間らしさ」が重要視されます。AIが「非人間的」と捉えられることで、導入に抵抗を示す人もいます。
これらの要因が複合的に絡み合い、AI普及にブレーキをかけていると言えます。ただし、逆にこれを解消できれば、日本独自の強みを活かしたAI活用が進む可能性も大いにありますね!
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ここをどう乗り越えるか、が来年の課題だと思います。
今は導入段階で止まってる感じですが、例えば財務ソフトの中にAIが入り込み、経理処理で気になった点をAIがサポートする機能(例:今月は交際費が多いですが大丈夫ですか?)、仕訳をサジェストする機能(例:この会社は建設業ですが、外注費で処理しなくて良いですか?)、決算の見直し機能(例:この数字では、税務署が行うAIチェックでマイナスポイントが23点出ていますがこのまま申告しますか?)が加わって身近なものになってくれば、一気に普及するような気がします。
AIの技術としての課題は進化すればするほど難しくなっています。
しかし、それは先端の問題であり、まずは自分たちの目の前の業務に利用すること、効率化に繋がるのかを考える「やってみる」時期です。
次に印象に残っているのは、テクノロジーと政治のつながりです。
米国の大統領選挙では、Podcastが強く影響したと言われています。
日本でも、地方選挙でSNSが影響したとされています。
ルーマニアではTikTokにより、泡沫候補が当選しそうになって憲法裁判所が選挙無効と判断するなど大混乱しています(最終的には来年3月の再選挙となりました)。
ここでは、テクノロジーが政治に対して良い面ばかりではなく、悪い面での問題も起きています。
この点を再びChatGPTとやり取りしました。
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はい、2024年はSNSとテクノロジーが政治の世界で大きな影響を与え、さまざまな問題を引き起こした年でした。特に選挙や政治的議論、社会的分断に関して、SNSは一層重要な役割を果たしています。いくつかの重要な問題を挙げてみます。
- フェイクニュースとデマの拡散
SNSは情報が瞬時に拡散できるため、特に選挙期間中にフェイクニュースやデマが広がりやすい環境が続いています。2024年には、AI技術を使ったフェイクコンテンツ(例えば、ディープフェイク)がよりリアルに作成され、政治的な影響力を強化する手段として悪用されるケースが増えました。これに対して、SNSプラットフォーム側の対策が十分でないという批判が高まりました。
- 選挙活動におけるSNSの利用
SNSを通じた選挙活動がますます重要になっていますが、同時に「選挙干渉」や「偽の支持者層の創出」などの問題も浮き彫りになりました。2024年には、特定の政治勢力がSNSを使って有権者に対して誤解を招くメッセージを発信し、世論を操作しようとする事例が報じられました。これにより、SNSが政治的な透明性や信頼性を損なう懸念が高まりました。
- プライバシーと監視
SNSが個人データを大量に収集することへの懸念も続いており、特に選挙活動や政治的目的でのデータ使用については多くの議論がありました。個人のプライバシーを侵害する形で政治的目的にデータが使われることに対する反発も強く、これが政治家や政府の信頼を損なう要因となっています。
- 分断と極端化
SNSは「エコーチェンバー」として機能し、特定の意見や立場を持つ人々が集まり、同じ情報を繰り返し目にすることで、意見の極端化や社会的分断を深めることがあります。2024年には、SNS上での過激な政治的発言や対立が激化し、これが実社会での対立や暴力的な行動につながる事例も見受けられました。
- AIの影響力と監視
AI技術の進展に伴い、SNSを通じて行われる政治的操作の手法も進化しています。特に、AIによる感情分析やターゲティング広告などが選挙活動に使われるケースが増えており、これが選挙結果や政治的議論に影響を与えるリスクを高めています。2024年には、AIによる選挙活動の影響について議論が活発化しました。
- SNSプラットフォームの規制
SNSプラットフォームに対する規制強化が世界的に進みました。特にEUやアメリカでは、SNS企業が選挙や政治活動において果たす役割について法的責任を負うような動きが見られました。日本でも、SNSの規制に関する議論が増えており、特にデマやヘイトスピーチへの対応について社会的な圧力が強まりました。
これらの問題は、SNSが政治的な力を持つ一方で、その管理と規制が不十分であると多くの人々が感じていることを示しています。今後、SNSとテクノロジーが政治に与える影響については、より厳密な監視と規制が求められる時期に来ていると言えそうですね。
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この他、イーロン・マスクは次期トランプ政権に深く入り込んでいます。
今までテック業界からここまで政治に関わったケースはなかっただけに、今後彼がどこまで政治に関わっていくのか、テスラはじめとするビジネスがどうなっていくのか、注目したいと思います。
彼の言動は非常に過激ですが、テクノロジーに対する発想はとても先進的で、活動もパワフルです。
3番目は、ちょっとミクロな税理士としての印象ですが、相続税に対するニーズがとても深くそして広くなってきました。
単に相続税を計算すると言うだけでなく、「相続」に対する思いを話し合う機会が増えました。
将来の相続をイメージして生前対策をどのように考えるかと言うこともありますし、遺された相続人の間でこの後のことをどうすれば良いかというご相談を受ける機会もあります。
これに相続財産に加算する贈与加算の年数延長(3年→7年)や相続時精算課税制度の改正があり、制度自体が大変複雑化していることも影響しています。
税制を絡めて、お客様に対する説明、そのための税理士としての情報収集、理解の蓄積の重要さを改めて感じています。
また、税理士という立場だけでなく、人としてお話を受け止める、一緒に考えることの大切さも、年齢相応に分かるようになってきました。
相続税だけでなく、法人税や所得税も難しくなってきています。
税理士として、来年もさらに精進して参ります。
最後は、この藤原塾メールが28号まで行ってしまったこと。
20年近く続けてきた松山藤原塾(以前は、高松藤原塾があり、共同開催の時期もありました)が、参加者減少で先細りとなり、藤原直哉先生からの冷たい視線を浴びながら、さてどうしようかと考えた末、結果のことは考えず、私なりに何らかの発信をしようと思いつきました。
テーマは自分が面白いと思う時事の話(時々税務情報も織り込んで)、ということだけ。
発信するとなると、常にいろんな情報をチェックするようになります。
有償で取得していた情報が、やっと日の目を見ることになりました。
「毎週原稿を書くのは大変でしょう」と言われることがありますが、ネタはあまりに多くありすぎて迷ってしまうことばかりです。
そんな変化を感じることができました。
なお、過去ログは、酒井啓司税理士事務所のHPに掲載していますのでご覧下さい。
こちらの課題は、何よりも継続していくことと質を上げることです。
それなりに読み返してるのですが、発信した文章を読み直してキャッ!と言ってしまうことが多々あります。
ひとまず50号、100号と続けていきます。
勝手に送っていますので、これからも軽く読んでいただけると嬉しいです。
ちょっと長いメールとなりましたが、今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。
2025年が皆さまにとって素敵な年になりますことをお祈り申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
今後の松山藤原塾の開催予定は下記の通りです。
令和7年2月13日(木)
令和7年6月12日(木)
令和7年11月13日(木)
オンラインですから、全国どこからでも参加できます。
奮ってご参加下さい。