「あの人といると心が落ち着く」「彼(彼女)がいると職場が活気付く」などの状況があります。人間には弱い電気が流れているので「電磁場」をつくります。「場の雰囲気の良い悪い」は、単にその場の空気のイメージだけではないのです。また、複数のメトロノームのリズムが揃うのと同様に、私たちが持つ電磁場は共振します。
「コヒーランス」とは、心拍数が一定で心が落ち着き、パフォーマンスを最大限に発揮できる状態のことをいいます。あなた自身が「コヒーランス」になることで、自身だけでなく家庭や職場もストレスがなく生産性も上がります。その良い影響は、世界平和にも貢献できるといいます。すでに米国企業やスポーツ選手が取り入れている「コヒーランス」メソッドを前回につづきご紹介します。(「ハート知性」ハートマス研究所)
ハートマス研究所とは ~約30年にわたり心臓・脳・神経系の機能などを研究
(1)1991年、米国カリフォルニア州で創立
(2)「心臓・脳・神経系の機能」「ストレスとパフォーマンス」の研究
(3)感情・ストレスのマネジメント法を開発、普及
(4)それらのメソッドは、欧米諸国の企業、医療・教育機関、軍や警察、スポーツ界
などで導入されている
心拍リズム・脳機能・感情は連動している〜心臓・脳・感情の調和状態=コヒーランス
心拍リズム | コヒーランス (なめらかで規則的) | 非コヒーランス (ギザギザで不規則) |
脳機能 | 1認知・判断能力の向上 学力アップ、認知症の改善 2扁桃体の安定 →ストレスの緩和 | 1認知・判断能力の低下 2扁桃体の過剰反応 →鬱、トラウマ、不安 |
感 情 | 感謝、落ち着き、忍耐、自信 | 不満、イライラ、不寛容、心配 |
実際、アメリカ政府の支援を得て、アメリカの9つの学校でハートマス研究所のプログラムを実践したときに、生徒たちの変化として75%の生徒たちが「試験を受けるときの不安が減少した」と言い、試験の成績も平均10点〜20点アップしています。また、日常の恐れやイライラといった感情が減少して、クラスの雰囲気が協調的になったという実験結果が出ています。
認知症の患者については、脳の中のアミロイドベータ(認知症の原因のひとつとされるもの)という物質が減ったとか、萎縮してきた脳が回復してきたというような認知症への改善効果も見られています。
扁桃体への影響では、ストレスの緩和が見られます。たとえば、シリアの紛争地でキャンプに非避難していた子どもたちは、とてつもない恐怖の中で慣れない場所での生活を強いられ、そこにいた800人近い子どもは全員おねしょをしていました。
そのおねしょの処理が大変で、キャンプ地の最大の課題だったらしいのですが、ハートマス研究所のコヒーランスのテクニックを学んだ人がそのキャンプ地に入り、子ども達にハートを安定させるワークを実践したところ、翌日からおねしょが止まったという例もあります。
クイック・コヒーランス・テクニック〜個人のコヒーランスは「電磁場」を通して周囲に影響を与える
ハート・フォーカス
心臓あたりに軽く手を当て、そこに意識を集中させる
ハート呼吸
心臓で呼吸するようなつもりで、ゆっくり、深く、呼吸を繰り返す
無理がなければ5秒で吐き、5秒で吸う(難しければ自分のペースで大丈夫)
ハート・フィーリング
感謝などポジティブな感情でハートを満たす
たとえば、愛する人や家族、ペット、自然などに感じる感謝の感情
*心拍数は測定可能なので、効果は数値として確認できます。心拍数を安定させることが、落ち着きやパフォーマンスの発揮に影響するだけでなく、周囲(家族、職場、社会)にも良い影響を与えます。ハートマス研究所では、毎朝6時30分から10分間zoomで世界を結び、共にコヒーランスメソッドを実践し、心の安定や世界平和に少しでも貢献できるよう取り組んでいます。