F&Aレポート

20代遡ると、200万人のご先祖さま

20代遡ると、200万人のご先祖さま

 お盆も明けて、今週はいよいよ夏の仕事の総決算といったところでしょうか。休みの間に先祖の供養をしにお墓参りをした人も多いと思います。

 さて、そのご先祖ですが、自分の父親と母親、その父親と母親、さらにそのまた父親と母親……と、遡ると延々とつながり、ご先祖の数が増えていくのがわかります。一節によると、20代遡るとご先祖様は200万人になるそうです。

 この200万人のうち一人でも欠けると自分は生まれていなかったということになります。そうやって命は脈々と受け継がれているのだと思うと、命は自分だけのものではないということがよくわかります。自分自身の命はもちろん、隣人の命もまた、人類悠久の歴史の中で終わることなく引き継がれてきたものなのです。

 引き継がれてきた命が、命のバトンだとしたら、このバトンをぞんざいに扱うのは、非常に申し訳ないことですし、他人のバトンを傷つけたり奪ったりすることも、決してやってはならない事だということがわかります。

 運動会のリレーのように、一生懸命走ってつないでいくバトン。そのバトンには仲間が必死で守り抜いてきた思いがこもっています。その思いを次の走者に確実につないでいく。たとえ苦しくても周囲に負けないように、バトンを受け取った者は走ります。

 命のバトンをつなぐとは、そんな生命の営みであり、マナーやおもてなしの原点はここにあるような気がします。