七福神の神様の一人である、えびす様を祀って商売繁盛を祈願する「えびす講」は、
日本各地で行われる年中行事のひとつです。もともと、旧暦10月に行われるものでしたが、地域によって開催時期が異なるようです。ちなみに広島では、胡子大祭(えべっさん)と呼ばれ、毎年11月20頃、3日間通して開催されます。
神社では、縁起物の「竹製の熊手(ごまざらえ)」を購入する人で賑わい、神楽や露店、商店街のセールなどもあり一大イベントになっています。
熊手は「運(お金)をかき込む」ものとして、年々大きなものに買い換えることが、福徳が大きくなることとして、良いとされていますが、その額、数千円から数十万円までと、サイズもお値段もかなり幅があります。また、地域によっては「値切って買う(=商談)」ことが作法とされているところもあるようです。
「えびす講になると冬が来る」と言われており、毎年なぜか、えびす講の時は、小雪がチラつき、寒風が吹き抜けるような天気になります。(今年も例外ではないようです)
旧暦10月といえば、神無月で全国の八百万の神様が出雲大社に集まるのですが、地域を守るために留守番をしてくれる神様の一人が、えびす様だったのでそうです。
えびす様は、右手に釣り竿、左手に鯛を抱え、笑顔で鎮座している姿が印象的ですが、この姿に象徴される通り、五穀豊穣、商売繁盛を叶えてくださる神様と言われています。
えびす講の「講」は、信者の集まりという意味ですが、留守神様に感謝を伝えるため、古くは江戸時代から続いている行事です。
胡、恵比寿、恵比須、夷子、蛭子、ゑびすなど、表記は色々ありますが、七福神の中では、唯一の日本の神様とされています。(大黒天、弁財天など、その他の神様はインドまたは、中国の由来といわれています)
今や、冬の風物詩といえば、イルミネーションや、クリスマスが代表的ですが、日本古来の「えびす講」も味わい深いものではないでしょうか。近所のえびす様に、今年一年の感謝と、商売繁盛を祈ってお参りしたくなる、そんな季節がやってきました。