ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2024(令和6)年9月1日 No.158

 9月になりました。少しだけ秋の気配です。

 先週は台風10号に翻弄される日が続きました。私たちが普通に認識している台風とは、急に雨と風が強くなって、そしてあっという間に過ぎ去っていく。その日の夕方か翌朝には台風一過の⻘空が広がっている。しかし、今回の台風はゆっくり静かにやってきて、いつの間にかいなくなっていました。最初に上陸した九州と、東側にあたる東海地方では被害が出たようですが、松山市内はいつもより静かなくらいでした。

 しかし、台風ではあったので警戒されて大雨警報が発令、8月30日はお休みのところも多かったようです。ところで、この警報はどこが出すのでしょうか、気象庁ですね。HPによると、気象庁の使命は、「気象業務の健全な発達を図ることにより、災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際協力を行う。」とされています。災害の予防をすることで国⺠生活を守る、必要な警報はタイムリーに出すということだと思います。

 公務員という立場を考えさせられた最近の話題として、最低賃金があります。

 最低賃金とは、「労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国⺠経済の健全な発展に寄与すること」(厚労省HP)とされ、これも国⺠のために実施されるものです。

 今年の答申では、愛媛県での最低賃金は時給として59円引き上げられ、956円となり、今年10月から実施されます。その結果、年間所定労働日数を250日とすると、最低賃金を満たす月給の金額は下記のようになります。

 時給956円×年間労働日数250日×8時間÷12月=159,333円

 つまり、月16万円が一つの目安です。今回の愛媛県の引上げ幅は、全国の中では、岩手県と同額の2番目の高額です(トップは徳島県の84円)。これをベースアップ的に見ると、月9,833円の引き上げとなり、インパクトが強いことがわかります。人手不足の現状から、給与水準の引上げは必須という状況ですが、最低賃金は強制であり、経営にダイレクトに影響します。経営者としては、これをいったん素直に受け入れた上で、売値への転嫁、雇用体系の見直し(例えば、年功序列的な賃金が残っているとすれば、この機会に給与体系を見直す等)が必要になってくると思われます。

 厳しい経営の状況を考えているのか?と思われるかもしれませんが、厚労省は、上記最低賃金制度の趣旨に基づき公務員としての事務を遂行しているだけです。

 もう一つの公務員の話題と言えば、パワハラ疑惑で揺れる兵庫県知事でしょうか。知事は政治家という側面も持ちますが、同時に行政の⻑であり、県⺠にとっては行政のトップとして注目度の高い存在です。公務員キャリアとしては立派でも、リーダーとしての資質には大いに疑問があります。兵庫県⺠は、今、なんとも⻭がゆい思いをしているでしょうね。