F&Aレポート

シルバーウィークの「シルバーシート」

 以前は、「敬老の日」といえば9月15日でしたが、ハッピーマンデー法で9月第三月曜日が「敬老の日」となったため、今年は9月18日月曜日が「敬老の日」でした。土日と付属して3連休になりますので、9月16日から18日は「シルバーウィーク」と呼ばれています。春のゴールデンウィークに並んで、秋のシルバーウィークというわけです。

 さて、その「シルバー」ですが、高齢化社会が始まった1973年9月15日、新しい「高齢者向けのサービス」として「シルバーシート」が誕生しました。

 今では、多くの場所で「シルバーシート」を見かけることができますが、発足時は、東京都のJR中央線と静岡県の伊豆箱根鉄道の一部に「シルバーシート」という名前の座席が誕生したと言われています。

 誕生から50年を迎える「シルバーシート」ですが、現在はシニア専用というわけではなく、体の不自由な方、乳幼児を連れている方、妊娠している方、障害のある方などの優先席と改められています。

 本来は「シルバーシート」に限らず、譲るべき人がいれば、速やかに席を譲るのがマナーであり、思いやりであるはずですが、実際はなかなか難しいこともあります。

 勇気を出して立ち上がり、「どうぞ」と席をすすめても、「いえ、大丈夫です」と言われると、元の席に座るに座れず、そこはぽっかりと気まずい空席になることもあります。

 また、「人を年寄り扱いしている」と不快に思う人もいるようですが、いやいやここは、たとえ一駅であったとしてもせっかくの厚意に応えるのも大人の振る舞いではなかろうかと思うわけです。狭い車両でのひととき、お互い気持ちよく過ごしたいものです。

 ところで「シルバーシート」の「シルバー」の名称は、当時赤字続きだった国鉄(現在のJR)が、余っていた新幹線車両の灰色(シルバー)シートを使うために、「シルバー」としたのが始まりと言われています。