寒かった今年の冬も終盤にさしかかり、春まであと一歩の3月となりました。恒例の和風月名ですが、3月は「弥生(やよい)」です。なぜ弥生なのかといえば、弥生の語源は「弥生(いよおい)」と言われます。「弥」はいよいよ、「生」はそのまま草木が芽吹くことを指します。まさに春の空気です。ただ、従来の弥生は、陽暦でいえば、3月下旬から5月あたりを指すそうで、実際はもうちょっと春らしくなった頃を指しています。弥生といえば、今はクラウド会計ソフトの「弥生会計」が有名です。この弥生は、3月、つまり確定申告のことを指しています。
さて、Googleのことを知らない人はあまりいないと思いますが、ChatGPT(チャットジーピーティ)をご存じの方はどのくらいいるでしょうか。今注目のAI検索エンジンです。技術的には違ってることを覚悟であえて説明すると、Googleを使った検索は、ユーザーが入力した単語に関連する情報が載っているWebサイトを教えてくれます。正確な表現でなくても、こんなことだろうとGoogle側が読み取ってそれなりの対応をしてくれます。世界上の最新のWebサイトをこんな感じだろうなと勝手に判断して情報を教えてくれるGoogleのシステムはすごいのですが、ChatGPTは、入力したユーザーとの会話のような感じで、検索結果を教えてくれます。この会話のような感じというのが大変評判になっていて、単なるサイトの紹介ではなく、文章として返ってくるので、そのままコピーすれば大学のレポートが書けてしまうなんてことになってしまったわけです。しかし、時々間違った答えが返ってくることや表現が乱暴すぎたりするということで、使えないという話も出てきています。
問題は、この新しい技術の出現と反響をどのように捉えるかです。一般的な人の反応を想像します。「どんな技術なんだろう?自分にはよく分からないな。分からないものは信じない方が良いと思う。したがって、この技術はダメだ、使えない。」こうなるのではないでしょうか。
新しい技術には誤ったことも多く、障害も頻発して最初はネガティブな反応は仕方ない面もあります。しかし、それは新しい技術の宿命で、失敗を修正し、情報を蓄積することで改善され、技術は確立していきます。コンピュータの技術は裏で動く論理を人間が構築するわけで、勝手に育つものではありません。この改善の過程が非常に重要です。その結果、人間が必要とする情報を提供するシステムに近づいていくはずです。必要なのは、最初からの全否定ではなく、技術の背景や将来的な価値・可能性を見いだすことではないかと思います。
出生数が80万人割れした日本でも、同じ発想が必要なのではないでしょうか。