ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2021年1月1日 №114

 新しい年を迎えました。いかがお過ごしでしょうか。去年後半頃から、1年前のことを思い出すことがありましたが、昨年2020年の1月は、それ以前と同じ生活でした。中国での報道も、他人事のように思っていました。それが世界中の人々の生活をここまで変えてしまうとは。ワクチンが世界各国で承認され、接種が始まったところもあるようですが、インフルエンザも予防接種したからといって感染しないわけではありませんから、人類が新型コロナウィルス感染症を克服するのはまだ少し先だと思った方が良さそうです。

 そのコロナについて、昨年暮れの朝日新聞に、コロナと熊のコラム(熊出没とコロナの不思議な共通点カギは人間との距離)が載っていました。熊が町中に出没するという話をよく聞きます。なぜ熊が人間の住む町に出てくるかと言えば、農村人口の減少で里山が放置され、食糧難から人里に降りてくるようになったからなのですが、コロナは逆に南米アマゾンに見られるような過剰な森林の伐採などの開発が進み、山奥に存在していた未知のウィルスと人間の距離が近づいてしまったために起きてしまったと考えられると言うことです。つまり、コロナウィルスは映画にあるように人間界を破壊するために宇宙から降りてきた生物破壊兵器ではなく、もともと人間の生活圏と遠い自然界にいた存在に人間が近づいていって感染が拡大したといえると言うことです。ペットで普通に飼われている犬や猫でも、人間に対してアレルギーが起きることがあります。犬や猫も本来は野生動物ですから人間との長い付き合いでもそのようなことが起きるわけで、まだ野生に近い動物ではもっと激しい変化が起きる可能性があります。つまり、新型コロナウィルス感染症もこれと同じことだと言えるわけです。自然界にあるものだから、ワクチンを介さなくても、人間の身体が自然に馴染んでいけば、激しく発症する可能性はいずれ低くなり、その時にアフターコロナを迎えることができるでしょう。

 コロナが出現したそのような背景を聞くと、これは今注目されているコロナCovid-19の次のウィルスが出現する可能性も決して低くないとも言えます。そして、もしそのような次なるウィルスが出てくるとすれば、それはやはり人間自身が生み出したものだと言うことです。

 コロナによる生活や価値観の変化は、単に感染症を乗り越えれば良いと言うものではなく、人類自身の行動にもつなげて考えなければいけないようです。昨年は特に前半、未知のウィルスで不安がいっぱいでしたが、今年は落ち着いてコロナとその周りのことを考えて参りましょう。まだまだ大変な日が続きそうですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。