今年も半分の区切り、6月となりました。この月は「水無月(みなづき)」と言われます。梅雨に入るタイミングなのに、水が無い?と思われるかもしれませんが、「無(な)」とは、「の」に当たる連体助詞「な」の意味で、「水の月」なのだそうです。まさに、これから雨の季節になるわけです。ちなみに、「神無月(かんなづき)」も同じで、「神の月」という意味です。これを「神がいない月」とするのは、語源俗解(言語学的な根拠がない解釈)なのだそうです。
さて、今月も引き続き世界は大変な状況です。ロシアによるウクライナ侵攻から3ヵ月が経ってしまいました。ウクライナ軍の反撃が激しく、ロシア軍が攻めきれない状況となり、戦線が膠着しているせいか、メディアで報道される量が減ってきたように感じられます。しかし、ここは国の在り方、世界の状況について、深く考えるべき時です。つい77年前まで、日本は戦争の当事国でした。ポツダム宣言受託後の1945年8月18日、武装解除を開始する日本軍に対して、ロシア軍が千島列島東端の占守島(しゅむしゅとう)に奇襲攻撃をかけてきましたが、他の北方領土でも行われたロシア軍の行動は今と重なります(この時の日本陸軍第5方面軍司令官樋口季一郎中将の話がネットに出ていました)。このようなきな臭い事態で、日本も軍事力を強化すべしと主張する話が時々出てきますが、国を守ることは大切ではあっても、どのように守るのか、そもそもこれから世界はどうなっていくのか、そこにおける日本に在り方は、といったビジョンのない防衛強化はロスが大きく、場合によっては的外れとなる可能性があります。いつもお話しするように状況を冷静に分析し、議論し、大局的な面から国の方向を考えるべきだと思います。
話は変わります。5月終わりの日曜日の午後、郵便局のゆうゆう窓口に事務所不在で持ち帰りとなったレターパックを受け取りに行きました。郵便の配達が完全週休2日制に移行して、郵送物は遅れるものという意識が当たり前になりました。事故がないことは良しとして、期限を気にするなら、ちょっとコストをかけてレターパックか速達の利用が必要です。それ以前に、軽いコミュニケーションなら、メールやチャットで十分です。コストもほとんどかかりません。その情報量は親書どころではありません。その帰り道、ガソリンスタンドの角からハンコ屋さんの看板を見かけました。行政での押印廃止が拡がってきて、印鑑を使用する機会は激減しています。ガソリンスタンドは日曜日で休業していましたが、EV電気自動車が普及してくるとこの給油所もどうなるのでしょう。新型コロナウィルス感染症で世の中変わってしまったという感覚は多くの人が持っていると思います。今回だけでなく過去にも、世界的に拡がった疫病や感染症で世界が変わってきました。しかし、Covid-19がなかったとしても、世界は変わっていくのです。大切なのは、この変化をどう受け止めるか、です。新型コロナウィルス感染症予防のため何かをするのではなく、もっと大切な目的のために、もっと大きな視点で変わっていくことが大切です。