早いものでもう11月、今年も残すところあと1ヵ月と少しになってしまいました。11月と言えば、3日が文化の日、そして文化勲章を初めとする叙勲の日でもあります。つい最近まで、勲章とはまったく関係のない世界にいると信じてきたのですが、先日新聞報道された叙勲のリストを見ていると、存じ上げている方の名前を見かけるようになってきました。しかも、その年齢が私とだんだん近くなってきています。だからといって、私が勲章を欲しいと思っているわけでは決してありませんので、誤解のないように。
さて、先月のレポートで、地方は人口が減ったから商店街が消滅したと言ったことを書きました。しかし、良く考えてみると、ちょっと違いますね。
人口と商店数が一致するのであれば、人口は0に近くなっていなければいけません。確かに商店街は消滅している状態です。しかし、地方の小都市でも、近隣にある大型ショッピングセンターやコンビニは大変賑わっています。つまり、地方経済の流通業小売業は崩壊したのではなく、規模が大きな組織に入れ替わったと言えるのではないでしょうか。
見方を変えると、地方都市の商店街は、国内流通業の大きな変化について行けなかった
と言うことではないかということです。もし、変化を見通して抜本的な改革を行い、消費
者ニーズを満たす商店街が維持されていれば、もしかすると商店街が生き残ることも可
能だったのではないかと思われます。
しかし、日本中、世界中の地方都市における商店街に同じような傾向=消滅が出ていることを考えるとそのための努力は尋常なものではないでしょう。
AI(人工知能)により、世界の職業は大きく変わる、正確に言えば消滅すると以前のレポートで書きましたが、AIではないとしても(流通業界におけるAI等のシステム導入はすごいようですが)、世界の大きな潮流が商店街の消滅に及んだと言えます。
それは1,2年で起きる変化ではなく、10年20年というスパンですから、目の前のものを見ているだけでは気がつかない、ゆったりとした大きな波です。日常生活でもすぐには影響しないので、無視をしていても大きな弊害はありません。しかし、気がついた時には取り返しが付かないと言うことになりかねません。また、もう一つの側面は、雇用です。人口が減るという事は、働く人が減るという事です。そうなると、地方都市経済を維持することが困難になります。それを回避するためにはどうすれば良いか。そこで出てくるのが生産性の向上なのですが、この先はまたどこかで書くことにします。