ボストーク

湊町レター Letter From Minato-machi 2022年2月1日 №127

2022年も1ヵ月が経過しました。新型コロナウィルス感染症(Covid-19)が広がって3年目。時が経つのは本当に早いものです。何度も書いてますが、時間だけでなく、この間の生活スタイルや価値観の変化はもうとんでもなくすごい感じです。

 さて、そのコロナですが、オミクロン株が広がってすごい感染者数になっています。ただ、重症化する比率が低いこともあり、インフルエンザと比較するような話を聞くことが多くなりました。個人的にそのような意見を持つことは良いのですが、感染者数の拡がりの中で医療業界中心に逼迫した情勢にはなってきているようですし、専門家であっても未知の世界、しかも人の命に関わる問題を軽く扱ってしまうことは気になります。マスク外して普通に生活できる日が来ることを祈りつつ、今は引き続き予防を徹底したいところです。

 最近、様々なところで物価が上がってきたという話が出るようになりました。木材、半導体、鉄などの金属から食料品や日常消耗品等々。2022年1月14日に日銀が発表した昨年12月の企業物価指数は前年同月比で8.5%上昇であり、オイルショックの影響があった1980年12月以来だそうです。その前の第1次オイルショック時はトイレットペーパーがなくなるという大騒ぎも起きたりしましたが(コロナもなぜトイレットペーパーなんだろう?)、1980年頃の名目成長率は8%台、名目賃金上昇率も年6%程度あり、生活に与える影響は今ほど大きくありませんでした。しかし、現在は成長率も賃金上昇率も、そして金利もほぼゼロ~マイナスです。物価が上がっても給料は上がらず、企業はその分を売上に転嫁することは難しい状態です。このまま物価と金利が上がると大変なことになります。景気の指標である消費はますます落ち込み、借入金を抱えた政府(日銀を含む)や企業の収益は圧迫されます。

 ちなみに、物価上昇の要因は世界的な資源価格の高騰と円安とされています。その背景には、やはりコロナがあり、いったん止まってしまった世界経済がコロナ終息前に動き出し、アイドリングなしの状態での活動再開が様々な分野に歪みを生じさせてしまったようです。物価上昇により、日銀が押さえ込んでいた金利もわずかに上昇の気配が見え始めました。コロナ同様、今回の物価上昇の動きと影響はエコノミストでも先行きを予想することが難しいと思われます。デフレに慣れきった日本人は、現金を手元に置いておくことを一番に考えてきましたが、インフレになるとお金の価値は下がっていくので、上手に使うことが求められます。

 健康もお金も未知の世界、しかし動かなければいけない。3年歳を取ったとネガティブに考えないで、3年間で得た経験を良いものとして今こそ活かす時です。