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湊町レター Letter From Minato-machi 2022年3月1日 №128

 梅から桜に季節が変わってきました。低温が続いた今年の冬も、3月を迎えて急に春が始動した感じです。私のノートPC(MacBook Air)は指紋認証でログインするのですが、冬の間は手荒
れでちゃんと認証してくれません。それが先週あたりからやっと認証してくれるようになり、こんなところでも春を感じるようになってきました。

 さて、新型コロナウィルス感染症の情報を吹き飛ばしてしまうニュースが飛び込んできました。ロシアによるウクライナ侵攻です。ロシアがウクライナに侵攻したのは2月24日。北京五輪が終わるのを見計らったかのような行動でした。冷戦終了後初めてとも言える本格的な戦争です。プーチン大統領は(ウクライナにいるロシア系住民の)防衛のために侵攻したと発表していますが、防衛というおかしな理屈で戦争を始めるのは昔から同じです。

 ところで、ロシア国内は、情報規制を強めていて、一般の人々は規制された情報にしか触れることができないようです(昔の大本営発表のようなものです)が、それ以外の国では、YouTubeはじめとするインターネット経由で現地の様子を見ることができます。まさに情報戦です。太平洋戦争では、日本は米国との情報戦で敗北したという側面があります。しかし、今は技術の進歩を背景に、考えられないくらいのレベルで世界があらゆるところで繋がっており、国家間における経済、金融、デジタルといった分野での競争は非常に重くなってきています。そのことを理解して対応すること、これは戦争だけでなく経済でも重要な視点です。軍事力だけではなく、情報=インテリジェンスに価値があるということです。

 今回で言えば、欧米は、制裁という観点から、SWIFT(国際銀行間通信協会)という国境を越えた資金決済を可能とする巨大な民間のネットワークからロシアを排除する決定を行いました。また中央銀行レベルでは、ロシア中央銀行の外貨=基本的にドルの使用を封じるようです。この結果、ロシア経済はお金がない=息ができない状態になると言っても良いでしょう。ロシア国内は大混乱必至です(海外メディアの報道ではすでに大混乱の様子です)。

 これをどのように考えるか。ロシアのような国が大混乱になると、世界経済もタダでは済みません。欧米首脳はそのことは当然理解していると思います。しかし、戦争で世界が痛むなら、経済が痛む方がまだマシだ。ウクライナ問題に早く決着を付けて、経済を建て直そう、と言うことだと思います。日本経済もこれから、今まで以上の物価高、資源不足と言った事態が予想されますが、戦争に巻き込まれるよりずっとマシ、と発想を変えて、明るく乗り切っていきましょう。もうすぐ桜咲く春です。

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