何となくモヤモヤした感じで、5月を迎えました。何がモヤモヤしたかと言えば、やはり新型コロナウィルス感染症(Covid-19)です。GWですが、毎年こんな感じだったっけ?と考えてしまいます。去年の今頃は、訳が分からないままの自粛生活でしたが、1年が経過してまた今年も?という感じです。しかも、変異型ウィルスの拡大は大変厳しいようで、国税庁HPでも税務署での感染者発生が連日数件の割合で発表されており、落ち着く様子は見られません。
さて、いよぎん地域経済研究センターが発行するIRCMonthly(調査月報)5月号によれば、2020年における愛媛県内の住宅着工数は8,049戸と、1996年の16,913戸の半分以下になりました。さらに2040年の着工予想数は、3,295戸と2020年と比べて6割減になります。Covid-19で忘れかけていましたが、国内の少子高齢化は、時を経てより具体的になってきています。また、Covid-19によりこの問題は加速化すると言われています。住宅建築は車の販売等と並んで重要な経済指標の一つです。私ども税理士のお客様にも一定割合の住宅関連の仕事をしている企業があります。その売上げが20年で4割水準になる。これは住宅だけでなく日本経済全体の縮小の問題であり、先を見据えてどのような経営を目指すのか、今からしっかり考えるべきだと思います。
ところで、この住宅着工の問題の解決策は誰が考えるべきなのでしょうか。官庁として具体的な権限を持っているのは国土交通省、昔の名称で言えば建設省ということになります。その官庁を引っ張るのは、政治家です。今回のCovid-19のことで、国の仕組みを考えることが多くなり、政治のあり方を考える機会も増えてきました。友人との会話で政治と宗教の話はタブーと言われることもありますが、今のような状況では考えざるを得ません。やはり国(国民)を引っ張るのは政治の仕事です。ただ、独裁国家ではない民主主義国家では、その政治を託される人は国民からの選挙により選ばれる仕組みとなっています。民主主義だから多数決、とも言われますが、正確には違います。選挙だけ捉えれば確かに多数決の側面はありますが、国民の様々な意見を取り入れていくことが民主主義の考えの根幹にあり、政治家はそれを実践しなければなりません。ある政策について反対する人がいれば、その意見を聞いて必要に応じて政策を調整し、取り入れていくことも政治家の仕事です。特に、誰も経験したことがないCovid-19拡大の現状では、医療だけでなく、打撃を受けた経済や生活への支援、その財源の確保等々、様々な分野で様々な問題が起きており、狭い視野では選択を誤る可能性があります。少数意見も受け止めて、分析検討して、国としての方針を決めていく。広く深く、それが政治に強く求められる役割です。平常時では、政治が一部機能不全でも世の中は回っていくかもしれませんが、今のような非常時には、より具体的で、実効性のある政策が遂行される必要があります。政治の役割は大変重要であり、不安を抱える国民に対して明確な説明も求められます。Covid-19のおかげでいろいろなことを考え直すことができたのは良かったこと、と考えましょう。